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介護老人保健施設 医療法人 北海道・東北

事例No.0097

取組内容

1.働きやすさを実感させ、協働に繋がるような組織システム

  • 経験年数別に意見交換の場を設置。
  • 仕事上の様々な意見や悩みについてアンケートを取り、回答している。
  • 介護、看護および作業療法士を全ユニットに配置して小規模のグループケアを実践。それぞれが専門性を発揮し、職員間での連携が明確に現れている。
  • 障害、心身機能の状態別のユニットケアを採用し、ユニットの方針立案から具体化まで話し合いで決定している。
  • 職種を越えた委員会を開催するようにし、自ら進んで参加する、知識を得るという空気が創られている。

2.非正規雇用で採用後、概ね2年の継続雇用を経て正職員に登用することで、定着率が向上している。

3.ユニット夜勤の外に看護師独自の夜勤体制を採ったことで、 看護職の定着、安定した雇用管理ができつつある。

4.職員福利厚生においてユニット対抗カラオケ大会を実施しているが、ユニット内のまとまりが強化されている。

5.ケアのテキストとなる新任者研修を実施するようにしてきたが、以後のOJTに役立っている。

取組の背景

施設開設から9年を経過しようとしているが、開設当初から勤務する職員が中心になりユニットの運営が、完全に小規模運営において充実期を迎えてきた。 経験知のない職員を迎えるユニットにおいては、自分たちもかつては新人だったにもかかわらず、焦りも迷いも露呈する。

新人育成は、ローテーション勤務の中で適切なOJTに反映できうるものとなっていない現状にある。 介護現場では、「失敗は、成功の母」とは、言い難く、失敗は、孤立を招く場面を創ってしまう。 「ひやり」「はっと」は、自戒と教訓を生み出すが、心理的なプレッシャーからややもすると孤立化させてしまい、成否がその取扱によって大きく分かれるところである。

職域としてのユニットに内在する課題は、自分たちが利用者のために「どのように働き、働きかけるか」ということがきわめて重要であるが、表出できずに抱え込むことが多い。そのため、職域、職種、他職種、多職域の交流の場が必要で組織としての意図的な働きかけとして仕組みが作られてきた。

ユニット型の施設職員は、小規模であるが故に「各自」があからさまになることから、精神的な重圧も派生する、給与面、将来性においても希望に閉塞感があってはならない。楽しめる職場環境、信頼しあえる環境作りが重要と考える。

取組の効果

  • アンケートへの回答は、完全なものではないが、組織としての閉塞感を収斂する効果は、あるように感じている。管理者あるいは身近な上司として、それらを受けとめる相互姿勢が活性させる意識化される意義は、大きいと考えている。
  • 専門性の発揮には、介護、看護、リハビリの職員の顔が見えて働ける環境があってこそ、協働、連携が生まれる。共通理解があってこそ主体的な参加が意図されてくる。そのための参加の場づくりは、責任の全うとやりがいを生み出す。
  • 専門職としての孤立を招かぬよう看護勤務シフトを独立させてきたが、看護職の定着は大きく改善している過程にある。
  • カラオケ大会は、歌だけではなく、振り付け、踊り、仮想もあり、気持ちを一つにできる場づくりとして効果的と考えている。(豪華景品は、職員会と施設で準備している)
  • 年度途中の不定期採用者では、体験知研修は、ユニット内でのOJTとしているが、4月採用の新任研修受講者との相違は、「何気なく相談できる仲間がいる」確実な連帯感に支えられている姿が明確であり、一層の改善を図りたいと考えている。

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