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事例No.0628
取組の背景
2018年、腰痛予防対策を念頭に置いて出席した福祉・健康の見本市で「見守りセンサー」の説明を受け、導入の検討を始めた。検討にあたり、既に導入している他県の社会福祉法人の理事長に相談し、実際に使用している現場を複数の職員で見学に行かせていただいた。
夜間帯の勤務の際に、職員の負担が軽減されているとの説明を聴いたことと、将来的には記録システムとの連動ができることがわかったので導入を決定した。
実際に活用している現場を見学できたことが大きかったと思う。
対応できる職員が限られる夜勤時に、「1~2時間に1度の見回りがある職員の負担と不安を少しでも軽減したい」という思いがあった。
取組の内容
2019年11月に県の「介護現場における先進機器導入支援事業費補助金」を活用して、特別養護老人ホームに「見守りセンサー」を5台、ショートステイに1台導入した。最初は、使い慣れていないため上手く活用できなかったが、時間が経過するとともに安心して活用できるようになった。
機器の導入にあたり、まず必要性について職員と考え、様々な機種の特徴を調査し、試用期間を設けて数社より選定した。実際に使用する機器が「現場の課題解決に効果を発揮するのか」の討議を行い、機種を決定した。
限られた台数しかないため、直接介護する職員間で話し合い、転倒リスクの高い利用者と看取り介護を必要とする利用者から優先的に使用した。
2020年には、「見守りセンサー」を6台追加導入した。夜間の利用者の動きをアラームで知らせてくれる。利用者によってどの段階でアラーム音が鳴るかの設定もできる。その後、家族の同意を得てカメラも3台導入した。
取組の効果(改善点)
【職員の負担軽減】
導入して一番良かったことは、アラームにより転倒を未然に防止できるようになったこと(導入前の半数程度に軽減)により、夜勤者の体力的な負担や精神的な不安を減らすことができたことである。また、カメラの導入により、利用者個々の動きの特徴等を把握できるようになり、より一層転倒の防止や睡眠の取り方のサポートができるようになった。
看取りの場面でもバイタル測定により状態を把握できるため、職員の負担が軽減されていると感じている。
個々のアラーム設定により見回りの頻度が減り、夜間の巡回時間が短縮されたことで、記録業務や事務作業の時間がとれるようになり、残業の軽減につながった。また、就寝状況やバイタルの記録が自動的に取れるようになったので、記録時間の短縮にもつながった。
【根拠を基にケアの向上】
夜間起きている時間が長い利用者には昼間の活動量を少し増やすなどの対応をとり、睡眠の質を高めることも考えて実行するようにしている。データをもとに状況の説明がしやすくなり、家族の信頼や安心がより得られると感じている。
新しく入所した方の状態を早くつかみ、ケアの質の向上にも役立てている。機器の活用により蓄積されたデータを職員全体で共有できることも、導入のメリットである。
【人材確保のPR】
介護養成校へ求人を出す際や就職ガイダンスでは、「見守りセンサー」等を活用していることを積極的にアピールし、学生や応募者からより関心を持ってもらえるようになった。先進機器導入が、「人材確保に直接繋がっている」とはまだ明確に言えないが、広報活動や就職ガイダンスにおいて介護機器の導入について紹介している。以前に比べて就労希望者は増えていると思われる。
今後も、少しずつではあるが予算を確保して台数を増やしていきたい。また、Wi-Fiの環境もさらによくしていきたいと考えている。