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事例No.0686
1.取組の背景
採用はあるが、1年未満での退職が多く、定着に繋がらなかった。一般職員は要望があっても「伝える先がない」「直属の上司に伝えても何も変わらない」という状況であった。直属の上司は、一般職員の要望が職責の範囲内で対応できるか判断できず、要望実施に向けた検討を行う時間も取れない状況で、組織全体に行き場のない要望が溜まっていた。通常業務終了後の会議や研修が常態化し、毎月夜遅くなる日が必ずあり、心身の負担となっていた。キャリアップや資格を取得しても給与への反映がほとんどなく、職員のやる気が低下していた。年金支給年齢が伸びるなか、継続雇用の条件では不安定であり、職員が安心できる人生設計を法人内で整えられないか悩んでいた。収入を増やしたいという目的での法人内での業務(全業)設定を職員本人はできないため、収入を増やすためには外部で副業をするしか方法がなかった。
2.取組の内容
年に1回人事評価を実施し、評価結果に応じて昇給・昇格を行うことで、職員の要望と施設の要望が両立し、双方とも成長できる人事評価に取り組んでいる。
評価は、自己評価+直属上司評価+副施設長・施設長の調整を組み合わせて行っているが、評価確定後、施設長が面談を行っている。面談では、仕事に対する要望の聞き取り、直属上司からの評価(良い点・改善点)の伝達、施設長が本人に求める点について伝達を行い、双方の納得性を高めている。
また、評価表には、職員本人が目指すキャリア(職等・職責、職種)の表明欄も設け、目指すキャリアへの支援を組織として行うようにしている。
更には、職員の学びを賃金に反映すべく、資格手当の対象資格を増やしたり、資格保持のみで支給したり、重複支給することにより、増額を実施した。
「ワークもライフも全力で楽しむ」を目標に働きやすさを追求している。
・実施義務のある委員会や研修、また、運営上の会議が多く、時間外での開催、特に夜間開催や休日者もその時間に出勤しての参加が常態化し、入所施設職員の心身への負担が大きくなっていた。そのため、業務時間外の会議や研修を撤廃し、全て業務時間内で実施することとした。
・職員の声に応えるべく、業務改善委員会を設置した。要望箱も設置し、毎月検討し、必要があれば調査や対応を行うことで、職員の気づきに迅速に反応できる体制を構築した。
・介護職員はエッセンシャルワーカーとして国を支えているという概念のもと、祝日は「国民の祝日に関する法律」に基づく公的な休日であるため、休日数を年間108日(月9日)から年間120日(土日祝の日数)に改定し、一般社会からの疎外感をなくした。
・入所施設の介護職員であっても、年に最低1回は長期の連休を取得できるようにした。年5日分の有給休暇の取得を公休希望日と合わせて、7連休の取得を推奨したことで、長期の旅行などを楽しめる機会を確保した。
・長寿社会で生活していく職員の人生設計を支えるため、60歳定年(65歳までの継続雇用)から65歳定年(65歳以降は定年なしのパート職員体制整備)に変更した。現在、介護助手(パート)で勤務している最高齢職員は、80歳である。
・職員の更に収入を増やしたいという声に応えるため、毎月、法人内副業を設定している。通常業務ではなく、やってくれたらいいなという環境整備などを施設長が設定し、自主応募(先着順)の希望者が、毎月2~4名、(一人当たり月5,000~10,000円程)で実施している。外部副業も許可制で取り入れており、現在、2名が行なっている。
3.取組の効果(改善点)
採用した職員の1年以内の退職率が、過去は50%あったものが、直近3年間は0%になっている。また、法人全体での残業時間が月平均8.25時間だったが、現在は4.74時間になり40%減少した。また、職員(有資格者)の給与を上げた(特に自己研鑽した資格重複保有者は増額)ことにより、制度変更前は支給要件があり実質月額0円だったものが、月額3,000円~22,000円(現時点の最高支給者額)となり、職員一人一人の学びに対する意欲向上に繋がっている。