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事例No.0660
1.取組の背景
・経管栄養が必要な入居者が12名以上いるが、経管栄養や喀痰吸引が出来る職員が少なく、看護職員の負担が大きくなっていた。手の空いた介護職員がいても、経管栄養や喀痰吸引に携わることが出来ないため、看護職員が施設内を走り回っている状況がみられた。
・看護職員への業務負担がストレスともなり、介護職員への当たりが強くなっていた。
・また、介護職員処遇改善手当が支給されるようになったが、看護職員への恩恵は少ないため、不公平感があり介護職員との関係が悪くなっていた。
・県が主催する介護職員喀痰吸引等研修の受講を希望しても、応募者が多すぎて受講できなかったり、実施会場まで車で約2時間かかるため、受講が出来たとしても1名~2名が限度であった。
・その他の外部研修についても、研修会場までの移動時間がかかり時間外勤務の発生などもあり、一度に多くの職員に研修を受けさせることが難しかった。
2.取組の内容
資格取得支援及び研修実施体制の取組み
・介護職員に対して、介護労働安定センターが主催する出前型の『喀痰吸引等研修』を施設内で受講できるようにした。
・県主催の研修に比べ、費用が約4倍掛かることが最大のネックであった。しかし、介護労働安定センターのアドバイスを受けながら、人材開発支援助成金を活用することができたため、実質の費用負担は軽減することができた。
・喀痰吸引等研修修了者が増えたことで、夜勤職員配置加算の上位算定ができるようになった。
・自施設開催で移動が不要という利点を生かし、研修の受講に際して時間外勤務にならないよう勤務シフトの調整を行なった。
・研修期間中にコロナウイルスの感染者や濃厚接触者が発生し、カリキュラム通りに進めることができず、補講等が必要になり追加講習費用がかかった。
・2年連続で出前型研修を行ったことでその後の受講対象者が少なくなり、自施設単独での開催ができなくなった。近隣の他施設との合同開催という形にせざるを得なくなるという新たな課題も生じた。
・外部研修のほとんどが往復2時間以上かかる遠方の市で実施されるため、以前は多くの職員を受講させることができなかった。介護労働安定センターから講師派遣をしてもらうことで、一度に20名以上が受講できるようになった。また、研修時間を16時頃にすることで、日勤者が時間外勤務にならずに受講できるのこともメリットであった。
仕事と家庭の両立支援
職員が継続就業できるよう、妊娠・出産・復職時(職員の配偶者を含む)および育児・介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児のために休暇を取る場合の支援に取り組んでいる。
・妊娠が分かった時点で、総合介護長または介護リーダー(女性)または事務主任(副主任:女性)がサポートに入り、当該女性職員の負担軽減を図っている。
・育児休暇復帰後は短時間労働を可能とする。
・子供の成長に伴い、短時間労働(非常勤)から常勤職員への転換を推進する。
・家族の介護が必要になった時や孫の育児が必要になった場合に、短時間労働を可能にする。また、状況に応じて短時間労働(非常勤)から常勤職員への転換を推進する。
・休暇を取りやすいよう、他の職員がカバー出来る体制を作っている。
・中堅職員(入職3年以上または経験技能がある介護福祉士)を対象に、外部研修を受講する機会を提供し、リーダーへの昇格意欲を喚起している。
・三歳以上の子を養育する労働者の短時間労働を可能にする。また、事前に施設長の許可を得て始業・ 終業時刻の繰上げ又は繰下げすることが出来るようにしている。
・ジョブローテーションを行い、特別養護老人ホームとデイサービスセンター、ショートステイなど状況に応じた配属先の適正を見極めるよう努めている。
3.取組の効果(改善点)
・介護労働安定センターが主催する出前型の『喀痰吸引等研修』を施設内で受講できるようにし、経管栄養や喀痰吸引が出来る介護職員を一度に10名以上増やすことができた。
・喀痰吸引等研修修了者が増えたことで、夜勤職員配置加算18単位×90名→21単位×90名へ上位算定できるようになった。増収増益に成功することができた。
・自施設内で研修の実施が可能となり、受講者増(一度に20名以上も)とともに、時間外勤務の削減にもつながった。