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グループホーム 社会福祉法人・社協 中国・四国

事例No.0654

1.取組の背景

 認知症高齢者の方々と協力し合って、互いに出来ないことは助け合うことを理念としている。認知症になられてもできることはたくさんあり、一人一人やりたいことや、沢山方々の想いを出来るだけ叶えられるようにとの思いがある。その思いを叶えるための人材の確保や定着に向けて、社員のモチベーションの向上や労働条件の工夫など働きやすい環境づくりが必要であった。

2.取組の内容

月1回の定例会議

 

  3つのホームの管理者、主任、リーダーが毎月行う会議では、ホームによって考え方ややり方に違いがないよう、また、他のホームのことが分からないといったことがないように情報を共有し、更にその情報は各ホームに持ち帰り、職員全員で共有する仕組みづくりをした。

 職員募集の工夫

 

「介護職員募集」では、なかなか人材を確保できないことから、「生活援助が出来る方」と募集。

労働条件(時間等)は自分で決める

 

  雇入れの際、勤務時間や休日、夜勤の有無等自分で決めることとしている。
  子育て中の職員や年齢の高い職員等に配慮し、無理のない範囲での勤務をしている。
  採用後、本人の希望により資格取得もできる。

地域との連携

 

  BCPの訓練などは近隣の民生委員や区長などにも呼びかけを行い、炊き出しなど一緒に行っている。
  法人が経営する幼稚園の行事などに参加するなど連携を取り、「秋祭り」は地元の人も集めて盛大に行っている。
  地元の中学校からの依頼で毎年講師として出向き、認知症の講習を行っている。
  社会福祉協議会の依頼で、命を大切にする「人権養育」も行っていたところ好評となり、地域全体への勉強会に広がっている。
  グループホームから5名が「福祉協力員」として社会福祉協議会から任命され、地域の高齢者等に気配りしている。

3.取組の効果(改善点)

月1回の定例会議

 

 リーダーにインセンティブ(賃金・食事会)を与えたことで、責任感や自覚が生まれ、モチベーションも上がっている。
 定例会議の内容を各ホームの職員に伝達し、全員で取り組む姿勢を組織として取り組んだことで、職員の意識も変わった。
 理事長自らが、わからないことを職員に聞くという姿勢で、わからないことや出来ないことを気軽に聞く雰囲気づくりを行い、出来ないことは出来る者がフォローする、失敗しても怒らない風土となっている。(悪いことはしっかり説明して理解してもらっている。)

 職員募集の工夫

 

「介護職」のネガティブなイメージはどうしても強いため、「生活援助が出来る方」等主婦が出来そうなことを明示して呼びかけをしたところ、「生活(掃除、調理等)の手助けなら」と徐々に人が集まり、柔軟な働き方により短時間勤務のパートには困らないほど集客に成功している。また、「手助け」として入職したパート労働者でも介護業務に興味が出て、介護職員初任者研修を受講し資格を取得する方もいる。現在の職員・パート労働者の年齢層は、30歳~78歳と幅広い。それぞれの年齢にあった働き方が無理なく出来るようにしている。

労働条件は自分で決める

 雇入れの際に希望の収入額を聞き、それに見合った働き方をしてもらっている。短時間(2時間位)で働きたい人、土日祝休みたい人、夜勤が出来ない人等、それぞれの事情に合わせて希望通りの働き方が実現できている。パート労働者が多い分、正職員の年次有給休暇取得時もフォローに入れる等、協力体制もできている。職員の中には発達障害の方もいるが、その症状をみんなで理解し、出来ることを考えて働いて貰っているので、他者からも不満も出ない。個人を尊重し、理解し合える風土になっている。

地域との連携について

 

 ・地域との連携には積極的で、規模の大きい法人とはいえないが、頼りにされる中心的な存在となっている。
 ・BCPの対応も早く、災害時の訓練などは近隣の民生委員や区長を巻き込むことで、地域自体が取り組むべく対策にも貢献
  し、区長からは「勉強になった、もっと教えてほしい」との声も上がっている。
 ・法人が経営する幼稚園とも日頃から連携を取っており、運動会などへの行事参加以外にも日常的に子どもと高齢者が関わり、
  双方に喜ばれている。
 ・「秋祭り」は、毎年盛大に行っており、地域の一般住民の方にも参加してもらっていることでグループホームの理解も深まって
  いる。
 ・中学校での認知症講座、命を大切にする人権教育にも関わっている。
 ・施設の道具などの貸し出しを行ったり、敷地内ではヤギや猫3匹も飼っており近隣住民の方が写真を撮りに来たりオープンな
  環境となっている。

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