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有料老人ホーム 社会福祉法人・社協 九州

事例No.0629

取組の背景

離島という土地柄、過疎化が進み人材の確保や育成に苦慮していた。より良い介護サービスを提供し、ご利用者・ご家族及び地域に信頼されるには、働く職員が心身ともに健康で、働き甲斐を感じられることが重要である。この現状を打破する為、法人全体で一丸となり様々な取組を行うこととした。

取組の内容

①事業所の情報発信

  • 求職者や利用者ご家族に事業所の雰囲気をより伝わりやすくするために、撮影した施設内の360度画像をGoogleストリートビューのサービスを使いホームページで公開(リンク)している。
  • 島外や島への移住を考えている人にも知ってもらうため、YouTubeで法人理念、業務、介護や看護の魅力、仕事と子育ての両立、地域の魅力などについて情報発信を行っている。
  • 職員の生の声を配信している「紹介動画」と職員の自由な発想で毎月配信している「ブログ」は好評であり、紙面では伝わらない事業所内の「空気感」を感じる貴重なツールとなっている。

②ICT導入(残す記録から活かす記録へ)

  • 介護記録ソフトにより記録業務の負担軽減を図った。スマートフォンサイズの端末を一人一台配備した。フリック入力、音声入力が可能で、操作が簡単である。
  • 見守りロボットによる夜勤時の精神的負担の軽減を図った。リアルタイムに呼吸や心拍の波形を見ることができるため、ご利用者の状態に応じてケアを選択できる。タブレット端末で見回り時も状態を確認できる。

③働きやすい、働きがいのある職場づくり

  • 離職防止・定着促進の取組みとして、職員会議や個別面談等を通じて把握した職員の声を制度に反映した。(できない場合は理由をしっかり説明する)
  • 個人調書を導入し、個人の事情や希望を踏まえたうえで、施設長と全職員の個別面談を実施
  • 俸給表の全面見直し、昇給額UP(俸給表をHPで公開)
  • キャリアパスの全面見直し(HPで公開)
  • 諸手当として住居、職員紹介、年末年始手当等々を新設し充実させた(HPで公開)
  • 定年延長を60才から65才へ延長
  • 資格取得支援制度を導入し、合否や継続勤務を問わず資格取得支援手当を支給。受験日の休暇付与等。
  • 職員区分を明確化し、正職員への積極登用を実施
  • 新制服の導入のために職員による「制服プロジェクトチーム」を結成・検討し、新制服を導入。
  • 職員の「楽しみ」を拡充すべく、全職員の誕生日に「お食事券」を贈呈
  • 採用時から10日間の年休付与や子どもの看護休暇、リフレッシュ休暇、誕生日休暇等の休暇、休業制度を大幅拡充
  • 退職金制度を明確化してHPにて公開
  • 職員の個別事情に配慮した人事異動を定例化
  • ケアの統一を図るための業務マニュアルを作成
  • 新人育成システム制定として、「メンター制」と「OJTチェック表」を導入 等

取組の効果(改善点)

①事業所の情報発信

HPに記載の「法人理念」や、我々のケアの柱である「ノーリフティングケア」「ユマニチュード的ケア」に共感して応募される方が増えている。求人票は出していないが、問い合わせが増えてきた。市が行っている求職者向けのWEB面談会においても、すべての回で申し込みがあり、当法人に高い関心を寄せていただいている。

②ICT導入

  • 介護記録ソフトは20日間のケア内容が表示でき、ケアの優先順位が適切になった。記録に係る時間が短縮されるなど業務の効率化が図られ、残業時間がほぼゼロになった。一人一台の運用のため、リアルタイムでの入力やケアの統一が図られている。また、数値ではない、職員のご利用者様に関する様々な気づきが1.5倍になり、重要な情報として共有できるようになった。
  • 見守りロボットの導入
    通常時の状態を把握できるため、体調の変化に対するある程度の予見・予測が可能となった。状態急変時の発見やその後の処置に的確な行動がとりやすくなる。モニタリングのPCと職員の記録用携帯端末が連動しており、利用者の状態に変化が生じた際は、携帯端末にも表示される仕組みになっている。 これらは職員の不安感の改善に繋がっており、人員配置の少ない夜間帯や看取り期対応時には重宝されている。

③働きやすい、働きがいのある職場づくり

  • 定年延長で安定した雇用へ
    現在28名が定年年齢を超えて在籍している。長年培った「経験」を他の職員が引き継ぐ貴重な期間となっている。
  • 資格取得支援制度により、チャレンジする職員の増加
    資格取得希望者の金銭的負担・精神的負担を減らす一助となり、「この職場なら挑戦できる」という職員の気持ちの後押しもでき、導入以来、毎年の支援につながっている。
    また、資格保有者が事業所内に増えることは、ケアの質向上、利用者の安心感、事業所が取得できる加算への影響など、波及的効果も考えられる。
  • 対外的な評価と職員の満足度が高まったこと
    「働きやすい」職場づくりを目指したことで、職員の中からは「この職場はいいよ」といった声が聞かれるようになった。また、ノーリフティングケアの導入について、県の研究発表会で発表し、最優秀賞を受賞し、先進的なケアに取り組む法人として認識されるようになり、求職者を引き付ける有効な事象となっている。

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