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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 中国・四国

事例No.0617

取組の背景

ワークライフバランスの推進により、職員が安心して長く働ける環境づくりに取り組んでいる。職員の有給休暇の取得率は高いが、管理職や役職者の取得率は一般職員と比べると低い。職員が休むことで業務負担がかかる為であり、またそのような責任を持つ管理者・役職者になることを希望する職員が少ない。職員を専門職として育成するためには期間が必要で、その為には人材定着が必須である。ワークライフバランスの推進で職員にとって働きやすい環境ではあるが、現状に満足している職員も多いため、仕事に対する意識を高める人材育成、教育制度の整備が必要であった。

介護労働安定センターの「介護の雇用管理改善CHECK&DO25」を実施したところ『法人・事業所の風土』のひとつ「質の高いケアへの意識や向上心を持つ職員を育てる組織風土がある」という項目についての点数が低く、事業所としても懸念事項であったことから、職員の仕事に対する意識向上のために教育制度の整備が有効と考え「資格支援制度」「資格取得奨励制度」等についてアドバイスを受け、以下の取組みを行った。

取組の内容

<会社負担による資格取得制度の奨励>

運用ルールを作成。費用は法人が全額負担とした。(職員勤務年数を基準に負担額を決定した場合、受講意欲がなくなる可能性があるため)対応資格は「実務者研修」「介護福祉士」とし、対象者を限定し同意書の提出を要件とした。対象者の選定方法や書式の整備、周知するリーフレット等の検討を含め改善に向けた取り組みを行った。

  • ○対象者の選定
  • ・職員面談を実施し、人事考課をもとに個人の意欲を把握する。
  • ○書式の整備・周知のリーフレット
  • ・形式はシンプルにして「費用は全額法人負担」と明記する。
  • ・図表などを取り入れて、職員が自分のスキルアップをイメージできるような内容にする。

これらの制度の導入により、職員のモチベーション向上、能力・知識の向上が「資格」という目に見える形で確認できるようになる。人材育成を重視するという会社からのメッセージとなり、介護職員はOJTとは異なる理論的、体系的な知識を取得できる機会になる。制度を通して「活気があり、向上心のある職場環境となる」ことが効果として考えられた。

取組の効果(改善点)

資格を取得することで、職員は仕事に対してプライドを持つようになり、自身のスキルアップに繋がり、報酬にも反映されるため向上心を持つようになった。利用者に対しても満足していただけるサービスを提供できるようになった。
この制度を活用できるのは1回だけだが、モチベーションを維持させるためにも続けて支援し、希望者は有資格者からのフォローアップ研修を受けることができる。このような制度があることを求人の際にアピールすることで求職者が増え、資格取得制度の対象となる職員が2名入社した。
資格取得により管理者1名が誕生し、信頼できる職員も増えていることから、管理職の有給取得率も向上し、有給を取得しやすい環境となっている。

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