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介護療養型医療施設 医療法人 北陸甲信越・東海

事例No.0615

取組の背景

元々は療養型リハビリテーション病院であったが、近年介護医療院に移行した。ほとんどの介護職員は無資格で入職し、経験を積みながら介護福祉士の資格を取得している。
病院から介護施設へ転換したが、介護職全般に昔からの意識(看護職の指示に従うことが主となる)がいまだに残っていた。
介護職の専門性を明確にすること、また評価基準と給与の連動性などの職務要件、任用要件の明確な基準を示すために2年前に介護労働安定センターの雇用管理コンサルタント相談を受け、処遇改善加算1の取得ができた。
次の段階として、業務の改善活動を通じて介護サービスの質を維持し、さらに向上させていくために、業務の生産性向上を目指し、今回も雇用管理コンサルタント相談によるアドバイスを受け、以下の取組みを行った。

取組の内容

  • 職場環境を整備するために5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)やPDCAの実施による生産性向上を目指し、組織図・職位・職責・任用要件等の現状を目に見える形で整理した。5Sにもあるように「整理・整頓・清掃」の3Sを「清潔」まで維持することも重要と考えた。
  • 5Sに関しては、どんな小さいことであっても問題があると思われる事については、整理整頓委員会や言葉遣い委員会などを立ち上げて、介護職員が委員長となって改善に取り組んだ。
  • 中間管理職にアンケート調査を行い、約20項目のできていないケアの現状について対応策を提出してもらい、目に見える形で問題点を明確化した。
  • 今まで続けてきた各種委員会活動を業務改善の手段として考え、委員会で能動的な参加を求めるため、業務に限らず日頃感じていることなどを1分間スピーチとして全員で実施することとした。職員間の円滑なコミュニケーションを図ることも目的の一つである。
  • 各種委員会では、委員会と同じテーマのマニュアルの見直しを委員会主導で行い、院長や副院長は多数のマニュアルを取捨選択し、必要なマニュアルのみを残すこととした。
  • 経営理念、基本方針、行動理念を再度職員に伝えた。特に管理職の人には当法人の理念について、自分の言葉で説明するように求めた。

取組の効果(改善点)

  • 業務の見える化に取り組んだことで、更なる業務改善の方向性が定まってきた。
  • 整理整頓委員会等で介護職員が委員長になることで職員の自覚を促すことに繋がり、意識が向上した。
  • 各種委員会に出席する全員がスピーチすることで、積極性が増し業務改善提案などに協力的になった。
  • トップダウンで改善を指示するのではなく、職員皆で相談し決めることにより、経営層と職員との考え方のギャップが埋まった。
  • 処遇改善加算Iの取得により、職員の処遇が改善されたことと併せて雇用管理満足度が高まり、定着率向上に繋がった。最近の傾向では、産休と育児休暇以外の離職者が減った。
  • 職員が組織の行動理念を再認識することで、自律的行動をとれるようになった。

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