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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 北海道・東北

事例No.0609

取組の背景

当施設では、介護職員人材確保のために、無資格・未経験者であっても意欲があれば積極的に採用する方針をとっている。部署によって恒常的に時間外勤務が発生し、職員の業務が過剰になっている現状があり、新入職員も既存の職員も貴重な「人財」として定着してもらうべく、業務の負担を軽減し働きやすい職場環境を整備する必要があった。
業務改善を考えていたが、具体的な手法や留意点などの知識が不足していたため進めることができない状況であった。
そこで、介護労働安定センターの「労働局委託事業 介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」の支援を受け、令和元年7月~令和2年1月にかけて雇用管理改善サポーターに合計5回助言をもらい、職員の業務負担軽減を目指し、同施設内の特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、グループホームの4部署において取組みを行った。

取組の内容

  • ①施設全体の課題を把握するため、介護労働安定センターの「介護の雇用管理改善CHECK&DO25」チェックリストを実施し、労務管理・職場環境「業務内容や量に対応できる適切な人員を確保している」の点数が低く、改善が必要と考えている職員が多いことがわかった。
  • ②業務改善の考え方、手法、ポイント等の指導を受け、各部署のリーダーや実際に改善に取り組む職員へ丁寧な説明を行った。
  • ③現場に即した効果的な改善を実施するため、業務改善について職員が共通の価値観を持ち取り組んでいくことが大切と考え「業務改善とは何か」を職員に説明し理解してもらう場を設けた。
  • ④見直し実施に当たり約10名の職員が協力して部署ごとに業務の棚卸表を作成し、業務を「主体的業務(利用者に接する業務)」「付随的業務(主体的業務の準備や環境整備等)」「事務的業務(記録や委員会業務等)」の3つに分類。また、それぞれ中分類「食事介助」「食事準備・片付け」「介護記録」等20分類に分け、時間・構成比を算出した。ご利用者及びご家族の満足につながる主体的業務の割合を高める方針を持ち、また職員のアイデアの提案も受け、重点的に付随的業務・事務的業務を工夫し、細かく簡略化を行った。
  • ⑤業務改善の実効性を高めるため、主任・副主任を対象としてリーダーの役割について学ぶ勉強会を行い、職員間のコミュニケーションをより深め、組織内の情報伝達・共有を的確に行うよう努めてもらった。

取組の効果(改善点)

  • 各部署における介護職員の時間外勤務時間数が減少した。
  • 業務改善を実施した令和元年度に入職した3名の新卒職員は現在も定着している。来年度も4名の新卒職員が入職する予定である。
  • 職員からは「利用者と接する時間、関わり合う時間が増えた」「負担が減り時間外勤務が減少した」「休憩時間がずれることなく業務時間内に記録を記入できるようになった」などの声が聞かれた。
  • 業務改善の意義や考え方、手法などの知識を得ることができ、当施設に合った適切な改善を行うことができた。
  • 新型コロナウイルスの感染予防対策として、これまで以上に消毒や清掃の業務に時間を要することとなったが、業務改善を行っていたため、限られた職員での運営にもかかわらず、早急に対応することができた。

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