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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 北海道・東北

事例No.0608

取組の背景

  • 地域密着型として2014年4月に特別養護老人ホームを開所したが、少子化もあり昨今の人材不足を考慮し、長期的な目で人材の安定策を講じなければと考えていた。
  • 地域密着型特別養護老人ホームとして運営しているうちに、地域住民から引きこもりなどにより就労が困難な方の受入れ相談があった。地域の為にと引き受けたところ、評判を聞いた定時制高校などから相談が相次ぎ、定時制高校生の受け入れや障害者雇用への必要性を強く感じた。
  • また2017年に2施設目となる特別養護老人ホームを開所したが、人材不足に対応すべく、外国人実習生の受入れを開始することとした。

取組の内容

①地域における就労が困難な方の受入れと働きやすい職場環境の整備

  • 雇い入れの相談に対し、個々の能力に合わせた勤務内容を指導し、シフトにも柔軟に対応している。
  • 指導方法は、担当を固定(面談・指導・周知)し、マニュアルを個別に作成して環境も個別に整備している。
    聞き取りも行い、職種及びシフトの検討や条件等の確認をしながら調整している。
  • 雇い入れに対して他の職員の理解も重要である。事前に関係職員に対して、障害及び対応方法を周知している。(対応窓口を一つにしており、他の職員から何らかの報告が上がった際には、担当者が確認して調整している。)

②個々の能力やメンタルに配慮した対応

  • 本人との面談だけでなく、家族との連携で些細な変化にも早期に対応してサポートしている。
  • 自閉症の場合:知的障害者であり、複数の職員が指示すると混乱してしまうため、最初は施設長のみが対応し、慣れてきたら別の職員を担当とするようにした。再度混乱してしまう場合は、施設長に指示を戻す。
  • ひきこもりの場合:ひきこもりは一度職場に来なくなれば最初に戻ってしまうため、休む時は必ず職場に電話をするように指示している。

③外国人介護職の方には、公私共にきめ細かなサポートで対応 

  • 新人研修のチェックリスト(日本人と同じリスト)を使用し、習得の確認をしている。また、週2回30分日本語及び理念、介護技術を指導、週1回日本語宿題の添削を実施(本人の希望を確認)、技能試験及び日本語試験直前に対策研修をマンツーマンで実施。
  • 住居は自転車で通える距離とし、勤務時間は早番、遅番のみとしている。
  • メンタルにも考慮し、若い職員を交えての料理作りや、国際交流センターに一緒に赴き自国民と交流できる機会を作っている。
  • 様子がいつもと違うと感じたら本人と面談をする。母国と季節や気候も違うため、体調管理にも気を配る。

取組の効果(改善点)

○職員の意識の変化
障害者・外国人ともに、気持ちや業務内容を適格に伝えないとトラブルになるため、基本的な事項を職員が理解する習慣が身につき、利用者との接し方などにも生かせるようになった。職員全員が外国人や障害者への差別はなく、仲間として受入れサポートし、互いに理解し支え合う職場の風土が育っている。 外国人雇用についても、地域住民から次第に協力を得られるようになった。

○責任感や自立心への変化⇒定着率向上へ
外国人や障害者、就労が困難であった方に対応する職員が、個々の特性等を理解し必要以上に甘やかさず過干渉をしないことで、本人の責任感・自立心の芽生えにも繋がり定着に繋がっている。業務が出来たり、理解できていることを確認できたら、一人で行うようにさせている。(確認・評価が大切)

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