雇用管理サポートシステム

事例No.607

○主な事業:特養 ○法人形態:社会福祉法人・社協 ○地区:北海道・東北

取組の背景

 離職者数が年々増えており、入職しても1年以内の退職者が増えていた。また介護職員の募集を行っても、3か月以上充足しない厳しい状況だった。当時、平成27年度における退職者は17名。退職理由をヒアリングしたところ「介護主任がいても常に職員が不足し不規則勤務で現場に入っているため、悩みを相談したくても不在で相談できない。」「自分自身の課題を認識できず漠然と悩んでいる。」「仕事がうまくできない(入居者との関わり、仕事の組み立て)」「職員間でのコミュニケーションに課題があっても相談できない。」といった声が聞かれた。

取組の内容

1.離職防止と定着率向上が喫緊の課題ととらえ、平成28年度より主任を3名体制にした。2人は業務担当を、1人は育成担当をメインとした。
育成担当者を主任として業務主任と同等の組織的立場にすることで業務の共有を図りやすくし、業務内容と役割を両主任が共有することで、主任の負担軽減を図った。また、主任は人事考課者であることから、職員が相談しにくくならないよう、育成主任は職員の相談援助において気持ちの引き出しと自己知覚を促すことを行い、業務主任は考課者としての指導を担うといった体制を試みた。

2.入職者に対し、定期的または必要に応じ個別面談を行った。
<面談期間・回数>
 入職1か月目・・週1回/入職2~6か月目・・月1回/入職6か月以降・・3か月に1回
 入職1年目以降・・6か月に1回/その他必要時はいつでも面談できるようにした。

3.これらを機能させるために以下4つのことを行った。
 ①課業の見直し~新しい職を創設した場合、内容を明確にして共有した。
 ②育成計画の見直し~新入職員の育成計画について主任と課長が話し合い共通認識を持ち明確化した。
 ③ユニットリーダー・業務主任との共有の仕組みづくり(育成ノートの作成)~相談内容を面談記録として保存し、業務主任と育成主任のみ閲覧可能とすることで個人情報の保護とプライバシーに配慮し、常に相談者の抱えている問題を共有できるようにした。
 ④職場全体での周知~新しい職と役割と仕組みについて職員に説明周知し、いつでも相談してよいという安心感と体制を構築した。

4.実習指導体制の見直し
 各種資格取得の実習受け入れや実践研修も行っており、担当窓口は主任であるが、育成担当主任は現場に入らず毎日の実習の振り返りと相談対応とした。

取組の効果(改善点)

 平成30年度は離職者が9人に減少。離職率18.7%だった。平成31年度は5人にまで減少し離職率は10.8%までに低下した。
 育成主任を設置し役割を周知したこと、組織全体でいつでも相談していい風土作りを行ったことによる安心感と、実習指導体制を充実させたことによる満足度が離職率低下に繋がっている。
 担当が不明瞭だった業務に対し、話し合いを重ね見直し明確化したことでスム-ズに業務運営が行われるようになった。