雇用管理サポートシステム

事例No.599

○主な事業:特養 ○法人形態:社会福祉法人・社協 ○地区:北海道・東北

取組の背景

 就業規則に賃金制度はあったが、各職員の昇給、昇進は管理者の独自の判断で行われており、また、キャリアパスはあったものの適切な運用がなされていなかった。
 職員は将来が見通しにくく、目標ややりがいを持てる状況になっておらず職員からは不満が出ていた。
 その結果、職員の確保、人材定着が課題で人事評価制度、賃金制度を中心に制度の再構築、透明性の確保といった改善が必要だった。
 管理部門が介護現場の問題解決に消極的で、自主的な取り組みが促進されるような組織になっていなかった。
 理念、尊厳を守るなど人権尊重、利用者利益の保護の徹底も含め、根本的に改善していきたいと考えた。

取組の内容

 介護労働安定センターの交付金事業を利用し雇用管理相談を平成27年12月より始めて、令和元年7月までの4年間にわたり8回実施した。
 本相談や他支援を基にやりがいがあり働きやすい職場にしていく事により、人材定着を図っていく事とした。
 また、それと同時に職員の事業運営への参画によるモチベーションアップも視野に入れ、上位下達型から職員参加型への改善を図った。

 ①職員アンケートを実施し、問題、課題を洗い出しを行い、委員会を新規に設置した。
 その中で業務改革、研修等については、話し合いで方針を決めて実行していく事とした。

 ②キャリアパスの効果的な運用を目指し、公平、公正、可視化を柱に委員会で事業所に合った制度構築作業を行っている。

 ③職員の業務全般の負担軽減のため職員を増員したことにより、夜勤者の人数を2名から3名体制に増員出来る日が増えた。

 ④夜勤手当増額、資格手当の新設、資格取得や研修受講支援制度の拡充を行った。

 ⑤助成金ではキャリアップ助成金(有期雇用から無期雇用への転換等)利用の為に規則を改定し、活用していくところである。
 (計画は申請済みで来年度に報告の予定)

 ⑥変形労働時間制、有給休暇時間単位取得制度を導入し、育児介護休暇制度や年次有給休暇制度(年5日の確実な取得等)の改定を行った。

 ⑦女性のがんの1番になっている大腸がん早期発見を目指し健康診断に大腸検診を追加で取り込んだ。

 ⑧ICTの積極的活用により、職員の身体的負担の軽減を図り、働きやすい環境を整えた。

取組の効果(改善点)

 キャリアパスは再構築の最中でその効果は今後に期待するが、就業規則の改定、委員会の新規設置と活動、福利厚生の拡充等により以下の効果があった。

 ①委員会への参加により職員自らが事業運営の意思決定に携わることで参画意識が高まり、モチベーションが上がり、やりがいに繋がってきており、事業所側要因の離職は減りつつある。

 ②事業所内の雰囲気が良くなってきており、ケア統一による利用者へのサービス向上に繋がってきている。

 ③委員会、朝ミーティング等により情報の共有ができ、職員間や部門間のコミュニケーションが深まった。

 ④職員の増員で夜勤人数を増やすことができたことにより、夜間帯勤務での安心感も出て夜勤を嫌がる職員が減り、ローテーションが組みやすくなった。

 ⑤資格取得、研修受講への事業所支援の拡充により、より意欲的に興味を持ち資格取得やキャリアアップを積極的に行おうとしている職員が増えた。

 ⑥女性職員が多い中で時間単位の有給休暇が使用できて、幼い子供がいる職員からは好評である。
  また、半日単位で抜けられる事が少なくなったので、職場自体からも好評である。

 ⑦健康診断への大腸がん検診の追加により、大腸がん検診を積極的に受診する職員が多くなり、職員の健康管理意識レベルも上がり、職員からも好評となっている。