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有料老人ホーム 民間会社 北海道・東北

事例No.0597

取組の背景

《人材育成~新人介護職員の育成》

これまでは、新規採用しても人手不足により、職員個々は日常の業務に追われ新人職員にゆっくり教えることもできず「入社即仕事」の状態が続いていた。
結果として、新人職員から「わからないことを誰に聞いてよいか、みんな忙しくしているので聞きづらい、教えてくれる人がいない、教えてくれても人によって言う事が違う」等々の不安・不満から離職に繋がっていた。
管理者も気づいてはいたがどう対応してよいのか悩みでもあった。

《定着化~有給休暇が取得し易い職場作り》

有給休暇は職員の関心も高く取得し易い状況であったと思っていたが、介護現場からは「連続休暇は取れない、取りづらい、忙しいのに年休取っていいんだろうか」等々他職員への遠慮とも取れる声が多く上がっていた。
また、過去の有給休暇の取得状況を見ると職員間でバラつきがあった。
人手不足の中、このような有給休暇も取りづらい職場環境が続くと離職に繋がるのではないかという不安が徐々に増していった。

取組の内容

《人材育成~新人介護職員の育成》

人手不足の中、せっかく入社してくれた新人職員は逃したくないという強い思いがあった。
過去の教訓から指導方法のバラつきを無くすため、統一した指導が出来る様2名の指導係を配置した。
2名とした理由は、1名では偏った指導になってしまったり、指導係だけに大きな負荷がかかり過ぎる恐れがあったということである。
お互いに助け合い連携し易い2名体制にした。
入社1ヶ月は1対1(マンツーマン)での指導、その後は指導係のもと利用者様との接点を増やしながら早期独立を目指していった。
指導係は常に"新人"を軸に育成方法の相談・修正、管理者・他職員への発信等々きめ細かな対応を実施している。
また、指導係には手当を新設し責任感とやりがいを与え、リーダー職への養成期間として位置付けた。

《定着化~有給休暇が取得し易い職場作り》

職員全体の有給休暇の取得希望状況を年間通して把握できれば、勤務体制がすぐわかりシフト調整や職員間コミュニケーションも増えるのではと考え、全職員から年間の有給休暇の取得月日の希望アンケートを実施した(ルールは遠慮なく記入すること)。
アンケートを基に全職員の有給休暇年間スケジュール表を作成し、全職員の勤務状況・有給休暇取得状況を見える化した。
また、年間スケジュール表の作成の狙いは、有給休暇取得だけではなく、日常業務・各種イベント等業務全体の流れを意識し、職員個々がやるべき仕事を責任感とスケジュール感を持って業務にあたってほしいということにもあった。

取組の効果(改善点)

《人材育成~新人介護職員の育成》

指導係の配置により、何でも相談できる体制になったことで、問題が早く見つかり、すばやい対応ができ早期解決に繋がった(大きくならないうちに対応する)。
新人職員からは「1対1なので遠慮なく話ができる、先輩の後ろ姿を見て介護のすばらしさを知った、介護に携わっていく覚悟ができた」等々の前向きな声も聞かれ退職せず元気に働いている。
育成方法については、必要に応じて管理者が指導係と面談し指導方法の振り返りと今後の方向性を確認している。
指導係の職員も責任感とスキルアップに繋がり、リーダー職と肩を並べる程に育ちつつある(次期リーダー職候補)。
今年度から指導係を3名体制にして人材育成に繋げていきたい。
今後、職種ラインとして「一般職⇒指導係⇒リーダー職⇒管理者」を作り上げていきたい。

《定着化~有給休暇が取得し易い職場作り》

有給休暇年間スケジュールの作成で、職員からは「介護でこんなに休みが取れると思わなかった、1週間旅行に行った、希望通り休みが取れるようになった」等々、高評価でありモチベーションアップにもなり不満は一切上がっていない。
チームワークと他職員への気配り・心配りが生まれ、緊急時でも快く出勤してくれたり、他職員に「私出るから休んでいいよ」等々の声が多く聞かれ、毎月・数ヶ月先のシフト調整もスムーズになった。
仕事と家庭とのオンオフが見える化することで心身のリフレッシュにも繋がっている。
有給休暇だけではなく、日・週・月・半年単位での業務を把握することで職員個々がやるべき仕事をスケジュール感を持って対応できるようになってきた。
また、働き方改革の有給休暇5日取得義務も全職員が早期に達成することが出来た。 

《最後に》

今後も定着に向け職員の満足度を上げ続けていきたい。
そして、全職員と利用者および家族の「喜ぶ顔」を見るために、仕事の延長上に「遊び心と楽しさと感動」を与えられる事業運営をしていきたい。

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