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有料老人ホーム 医療法人 中国・四国

事例No.0592

取組の背景

大きな経営判断として有料老人ホーム(定員60名)の建設、開業を決定した。
土地取得から建物建設までは関係先の協力を得て、ほぼ計画に近いスケジュールで進み、平成30年4月認可、ご利用者様の受け入れを開始することとした。
平成28年度に介護労働安定センターに人事評価制度に係る雇用管理コンサルタント相談を依頼したことと、その後各種セミナー等に参加したことから、この度の有料老人ホームの開業に当たり人材確保に係る情報の提供及び開業時の人員体制上の注意点について助言を依頼した。

取組の内容

介護労働安定センターに相談し、以下のことに取り組んだ。

●この度の有料老人ホームの開業は、法人として初めての事業展開であり、不安な事ばかりであった。

●建物は完成したが、人員の確保に不安があったが、建物完成後、半年後の開業というスケジュールであった為、施設見学の時間も十分確保でき、どうにか開業2か月前には予定人員に近い30名を確保することができた。新規採用者は、他の法人での経験者が8割、介護事業未経験者は2割という布陣となった。

●介護人材育成コンサルタント相談及び雇用管理コンサルタント相談(要員体制、人材育成関連助成金制度)の結果、下記の開業時職員研修を講師派遣型で実施し、人材開発支援助成金の活用も行うこととした。

①経験者比率は高いが、他施設経験者が集まるだけでは介護サービスの質の確保、安定が図り難いとの助言を受け、「新施設、私たちが目指す施設ケアの実現に向けて」と題して10回、計20時間の研修(合同検討会)のプログラムの提案を依頼した。

②当初、開業前の3月中に集中開催を計画したが、集中開催しても成果が望み難いとの助言があり、3月~7月までの分散開催とした。

③プログラム内容は、チームケアに必要な知識、技術、意識の統一、必要なアニュアル作成、浸透に注力した。
 1回目:尊厳のあるケア 2回目:利用者・ご家族との関わり方 3回目:チームケアの大切さ 4回目:クレーム対応と予防(マニュアル化検討) 5回目:介護職員が出来る医行為 6回目:高齢者に多い疾患 7回目:緊急時の対応(マニュアル化検討)8回目:感染症対策 9回目:認知症の理解(基本を知る)10回目:ストレスをためない方法とは(職場内コミュニケーション)

④ご利用者の受け入れを開始しながら、7月まで月2回のペースで2時間づつの講義、検討会を開催し、必要なマニュアルや対処方法の統一化を図った。

取組の効果(改善点)

●開業時の慌ただしさは想定以上のものがあり、新規受入、施設見学者への対応等もあり混乱した。

●途中、事業計画上、施設稼働率が低すぎるとの指摘も他から有り、外部への施設紹介活動等に外出することも多かった。管理者がこの研修に通しで参加する予定であったが、半分程度の参加に止まったことは残念であった。

●但し、10日間、計20時間の講師派遣型の講義、検討会は当施設が求めていた内容で、且つ各講師の皆様が熱心に伝達いただき感謝している。色々な事業所経験者が集まった新しい施設でありながら、当初の目的であった「私たちが目指す施設ケアの実現に向けて」という知識、技術、意識統一を体系的に図ることができた。さらに、一部は施設としての対応マニュアルの作成にもつなげ、知識、技術、意識の浸透を図ることが出来た。

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