本文へスキップします。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 九州

事例No.0582

取組の背景

・システム導入前の雇用管理上の問題点

  1. 介護サービス提供時間中は利用者への対応を中心に行っていることや、職員が不足していることから就業時間後に残業をして事務処理を行っており、これが職員の疲労の蓄積要因となっていた。
  2. パソコンや手書きで利用者に関する記録の管理を行っていた。必要書類や実績・請求管理はワードやエクセル、既存の情報管理システムで行っていた為、同様のデータを様々な書類に転記する必要があり、事務処理に膨大な時間を費やしていた。
  3. 同じような内容の記録物が多く、情報が多岐にわたっていることから、リスクの分析がされないままとなり、同様の軽微なヒヤリハットや事故が発生していた。
  4. すべての記録を紙ベースで保存しており、保管倉庫を圧迫していた。
  5. 職員からも、「事務処理が就業時間後となる」「時間内に業務を終えることができず、他の職員に申し訳ないと感じた」「介護保険が改正になるたびに事務処理が増えて苦痛」「パソコンの台数が少なく、他の職員が使用している際は遠慮して使用できない」などの意見があった。

以上のような背景があり、タブレットを使用した施設運営システムの導入に取り組むこととなった。

取組の内容

  • 導入システム
     パソコンとタブレットを使用したクラウド型の情報管理システムを導入し、利用者の日々の状態管理から介護保険請求や利用者への請求まで一元管理する。
  • 導入台数
    特別養護老人ホーム
     PC 12台
     タブレット 3台
     スマートフォン 4台
    通所介護
     PC 5台
     タブレット 2台
    ※通所介護で試験運用し、問題点が洗い出されたところで順次他事業所(特別養護老人ホーム、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所)への導入を行った。
  • 想定内・想定外の問題点
    既存システムから新規システムへのデータ移行が上手くいかなかった。
    データ移行時の情報入力ミスのため、請求業務に支障をきたした。
    帳票類の書式について既存のものと違いが生じる。
    システムを同時に入れ替えなかったため、同一法人内に新旧二つのシステムが混在してしまい請求処理が滞ってしまった。

取組の効果(改善点)

・システムの導入後の効果

1.業務時間について

  • 就業時間後に事務処理で残業する職員が減少した。
  • その場でタブレットに入力し本体パソコンに伝送できるため、事務処理をするスペースに移動する必要がなくなった。
  • タブレットの使用により文字を入力せずメニューから選択して入力ができるため、情報1件あたりの入力時間が減少した。

2.業務負担について

  • テーブルの上で様々な書類やファイルを置いて作業をする必要がなくなった。(タブレット1台でよい)
  • グラフやデータで情報を見ることができるようになったため、利用者の状況を素早く把握できるようになった。
  • 画像や映像を交えて記録ができるため職員間の情報の共有が効率よくできるようになった。

3.コスト面について

  • 紙ベースでの記録が大幅に減少した。(低減額を検証中)
  • 直近の1年間と導入後の1年間を比較し、残業に係る人件費が17%減少した。

この事例が当てはまる分野