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介護老人保健施設 社会福祉法人・社協 九州

事例No.0581

取組の背景

もともと外国人雇用に対して、危惧することは無く抵抗は無かった。国からの働きかけがあったことや、詳しい方が知人にいたこともあり影響を受けていたことが、外国人雇用の受け入れに積極的に取組み始めたきっかけである。

また、介護職員の人材確保の面から見ても外国人労働力は貴重である。自分たちだけでは取り組めないことなので、初めはEPAからの受け入れでスタートし、県の社会福祉協議会からも受け入れを行うこととした。

取組の内容

受け入れをするにあたって、事前に職員に対して説明を行った他、地域住民の方への挨拶(近隣のスーパーやコンビニ等)、住居の確保、インターネット環境の整備(一人に一台パソコンを貸し出し、遠く離れている家族へもアプリでテレビ電話が出来るよう配慮)等を行った。

当施設に来たのはインドネシアの女性が3名で、イスラムやキリスト教徒であった。その為、食事の面では豚や鳥等が食べられないなどの制約が多くあり、自分たちで食材を買って自炊をしていた。勉強面でも大きな課題があり、日常的な会話は理解できているものの、より専門的な言葉や方言が加わってくると理解してくれているのか分からないので、随時会話が理解できているか確認を行った。また、日本語教育としてEPAの教材を取り入れ、年に数回EPAの主催する勉強会に参加した。

さらに地域の方とコミュニケーションをとるため、地域の行事に参加した。仕事の内容としては、関連施設で様々な業務を体験出来るよう、一年目は特別養護老人ホーム、二年目は介護老人保健施設、三年目は養護老人ホームとローテーションしていった。最初は先輩職員とフロアの見守りをするところからスタートをし、シーツ交換から移送、食事の配膳まで行った。

併せて精神的なフォローも行った。近隣の大学にインドネシアからの留学生がいたので、月に一回悩み相談をしていただいたり、仕事以外でもコミュニケーションをとってもらっていた。

取組の効果(改善点)

皆さん常に笑顔で一生懸命頑張っているので、利用者さんからの反応もかなりよかった。周りの日本人の職員にも良い刺激となりケアの質の向上に繋がった。3名中1名は試験を受け介護福祉士を取得した。

施設での受け入れ期間を満了すると次に何をするかは本人次第で、施設に残って働いていただきたいところではあるが、制約は出来ないのが現状である。

今後の課題としては技能実習生をどう受け入れるかである。来年度には、フィリピンからの受け入れを2名予定している。外国人の方は文化の違いがある為、礼拝があることやラマダーンの時期には帰国したい等の要望がある方が多い。

加えて、勤務地や就業時間の希望もある。施設側が選ぶ立場ではなく、外国人労働者の方が施設を選ぶ時代になってきている。

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