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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 中国・四国

事例No.0580

取組の背景

職員不足、主に介護職員が慢性的に不足していた為、業務に様々な問題が生じていた。業務量の増加による長時間労働、残業の発生、有給休暇が取りにくくなるなどである。

加えてベテラン職員の不在による教育、研修等の不足、スキル不足等々があり、離職者が増えるという悪循環に陥っていた。

そこで、ICTタブレット端末(介護記録管理システム)を介護現場に導入し、介護記録の作成や介護保険の請求の効率化を図り、職員の業務負担を軽減したいと考えた。

取組の内容

導入した介護記録管理システムは、タブレット端末で、ご利用者の食事、入浴、排せつ、バイタル等を簡単に入力する事ができる。

また、看護・介護職員が作成した看護・介護記録はインターネットで本部と情報共有される。入力された情報は、連絡帳、業務日誌に連動しており、転記する必要が無い。
過去のデータやご利用者の情報が閲覧でき、利用者が体調を崩した場合等には、タブレット端末からも服薬や食事などの記録を確認できる。

一方、介護計画書に添ってサービスを実施し、実施内容をタブレットで入力すると、介護請求に反映されるため、管理業務面においてもメリットがある。

取組にあたっては、パソコン関係に苦手意識を持つ職員も少なからずいたため、導入時にシステム導入研修を開催し、その後社内マニュアルを作成した。
中高年の職員に対してはパソコンやスマートフォンに慣れている若手職員をメンターとして、マンツーマン体制で指導した。

取組の効果(改善点)

以前は介護業務の他に、介護記録や連絡帳などを残業して作成していたが、就業時間内にすべてそれらが終わるようになり、残業が無くなった。残業がなくなった事によってワークライフバランスの充実が図れるようになり、結果として職員の士気高揚に繋がった。

またタブレットの指導を通じて、若手職員と、ベテラン層の中高年職員のコミュニケーションがとれ、職場内の雰囲気も良くなった。求職者等に対しても残業が無い事をアピール出来たり口コミの広がりもあり、以前はあまり無かった求人広告への応募が増えてきた。

管理者の業務については、月初の介護保険請求に係る業務が5分の1程度に削減された他、職員のシフト管理や給与計算等の管理業務が大幅に削減出来ることで、職員研修など人材育成にも注力出来るようになっており、職員のスキルアップや定着、サービスの向上につながっている。

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