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事例No.0578
取組の背景
過去2年にわたり、休業を伴う腰痛の労働災害が発生したことがあった。休業により他の職員に負担がかかり、その職員の腰痛の悪化につながるという悪循環になっていた。
このままでは、仕事だけでなく私生活にも多大な影響を及ぼしかねない状況であった。そこで、腰痛対策を全面に打ち出し、職員にアンケートを複数回実施した。
腰痛への負担が一番大きな業務として「おむつ交換」を挙げる職員が最も多く、さらに詳細に分析をすると前傾姿勢や中腰姿勢を続けなければならないことに問題があった。
改善策として姿勢の維持に有効な介護機器などを探していたところ、介護ロボットの存在を知り、導入を決定した。
取組の内容
導入したロボットは、介護者がロボットを装着し、腰部にかかる負荷を低減させることで、腰痛を引き起こすリスクを減らすことを目的として開発されたものである。
皮膚表面の微弱な生体電位信号を用いることにより、装着者の運動意思を反映したアシストが可能な介護ロボットである。
装着してすぐにアシストが効き負担軽減につながるわけではないため、最初は職員がロボットに慣れるための期間が必要であった。
また、職員全体にどの程度の負担軽減になるかのイメージを定着させたかったため、導入当初は職員を限定して早く慣れてもらい、他の職員への効果の実感と感想の伝わりに期待をした。 その結果、使ってみたいという声も聞こえるようになった。
取組の効果(改善点)
当初は、使用する職員の脳が慣れていないために無駄にアシスト機能が効き、「床に落ちている物が拾いづらい」「今まで通れていた狭い個所が通れなくなった」「そもそも機器が重く反対に負担が増えた」などの意見もあったが、機器に慣れてくるに従って「アシスト効果を感じる」「夜勤明けの腰のだるさがなくなった」などの意見が出てくるようになった。
使用した職員からこのような意見が出るにしたがって、他の職員からも「使ってみたい」という声を聞くようになった。
職員のアンケートで負担が大きいと挙がっていたおむつ交換や着脱介助、体位変換などの前傾姿勢や中腰姿勢時の腰の負担軽減に高い効果を発揮し、導入時の想定を大きく上回る良い結果となった。