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有料老人ホーム
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関東
事例No.0572
取組の背景
◆ 自社介護職員の夜勤の負担感を認識
- ① ショートステイ事業の夜間帯における職員の精神的、心理的な負担、ストレスを軽減したかった。
- ② 夜間の入居者への過度な干渉を減らし、睡眠環境を改善させたい。
- ③ 夜勤の体制等、試行錯誤をしたが、職員を増やすのは財政的にも難しい。
◆ 国の政策・方針を見据え
- ① 日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)
『介護ロボット5か年計画』の「ロボット介護機器の開発・導入促進の政策」 - ② 平成30年度介護報酬改定に関する審議報告
『多様な人材の確保と生産性の向上』の「介護ロボットの活用の促進」
上記の背景から、職員の負担軽減ができる項目についてプライオリティを決め、その中から 「ICTシステム・眠りスキャン導入の取り組み」を実施することとした。
取組の内容
◆ ICTシステム・眠りスキャン導入の取り組み
① 業者選定に際して
- 業者ごとの特徴等プレゼンテーションを受ける
- すでに導入した事業所の見学と意見を伺う
② 社内での意見交換、導入推進責任者等の役割明確化、活用段階
③ 職員へのアンケート調査による問題点の把握
- 導入前と導入後の自身の負担に関する変化:居室への訪室や夜勤中の不安の軽減につながった。
- ご利用者に対する変化:呼吸状態・睡眠パターンを把握し、不要の訪室が削減され全体的な業務効率が向上した。
※今までのアナログ(観察・把握・配慮)から見える化(数値・言語)することで事業所全体の情報共有につなげる。 - ご利用者自身の変化:排泄介助のタイミングがスムーズになった。過度な入室で睡眠が妨げられることが減った。
④ 職員の問題意識と改善案をもとに、独自の仕組みでまわしていく
- 業者マニュアルだけでなく、事業所オリジナルの簡易マニュアルを作成
- 日々の報告・連絡・相談に、眠りスキャン要項を入れる
- 定期的な担当者会議、職員への定期アンケートを実施し、マニュアルのバージョンアップを図る
取組の効果(改善点)
◆ ICTシステム・眠りスキャンを導入して
- ① 夜間帯のご利用者の状況を、データで可視化することにより行動を把握できるようになった。
- ② ご利用者の呼吸状態も把握できるので、看護職も安心して業務にあたれるようになった。
- ③ 排泄介助をするための訪室時間等のタイミングを見計らうことが出来る様になり、余計な訪室時間の削減になった。
<居室に入る回数が削減され、ご利用者に対し過度な干渉がなくなり睡眠を妨げることも無くなった>
※夜間帯の転倒事故は17%削減
◆ 今後のさらなる活用を進めるための改善計画
- ① 何故この機器の導入に至ったのかの背景や、どのようなご利用者にどのように利用して頂くかなど、介護職の誰もが解り易いオリジナル簡易マニュアルを作成していく。
- ② データの読み取りや解釈について、サンプル事例を作成して職員のケアサービスの質の向上を図る。
- ③ ショートステイは在宅サービスの一環であることを前提に、この機器からのデータを担当ケアマネージャー・ご家族・かかりつけ病院等と共有し、ご利用者の睡眠状況の把握/改善につなげていく。
- ④ 最新の機器を導入していることをアピールし、地域内でのブランディングを上げる。
<独居の在宅生活者の支援等、地域包括ケアシステムを支えるツールとして活用の可能性がある>