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事例No.0541
取組の背景
①キャリアパスがうまく伝えられない。理解してもらえない。(職員のモチベーションが低い)
②人を生かすための職場づくりがわからない。育つ環境づくりがわからない。
③処遇改善加算を取りたいが周りの協力がない。
④デイサービス利用者が低迷しており、魅力あるサービス作りがわからない。
⑤親会社や上司との連携がうまくできない。
現状は職員間での経験の差が激しく、共通課題の認識ができにくい状態である。特に若い職員の中には目的意識やプロ意識がなく、必要性も感じていないため、指導がうまく通らない。指導方法が管理者からの直接指導中心であり、業務量だけが増大している。あわせて、本部上司との意思の疎通がうまくいっておらず、過度のストレスがかかっている。管理者だけが経営に危機感を持っており、他の職員に経営意識がない状況である。職員への意識調査アンケートから、「利用者のためにより良いケアをしたい」という思いは皆が持っている。
取組の内容
介護労働安定センターに相談し、下記のアドバイスを受け、改善に取り組んだ。
①職員教育方法を変更する。管理者からの直接指導ではなく、組織の体制として作り直す。メンター(エルダー)制度を導入し、指導者(エルダー)を勤務2年~1年の者が務める。入職したばかりの新人職員は身近な先輩からの指導を仰ぐこととなるし、指導者は指導能力を問われることとなる。4~5グループ作り、指導方法についてはそれぞれの指導者同士が話し合って決める。指導方法に行き詰まった時のほか、定期的に進行状況を管理者に報告する。
②キャリアパスの必要性については、今後も集団指導という形で行う。職員の意識改革を行っていくテーマとして「介護職のプロフェッショナルを目指して」として指導していく。
③キャリアアップを促進させる方法として処遇改善加算の取得を目指す。職員の中には、仕事=賃金 という考えを強く持っている者がおり、頑張っても給与が上がるわけではないという思いを他の職員に波及させ、前向きな行動にブレーキをかけているところがある。処遇改善加算を取得し、資格や人事考課により手当を分配することで、賃金に対する考え方を変え、質の向上に向けることができる。
④実務経験のある職員が後から就職したことにより、「新人職員」となっている。このことが「自分の考え方を言えない」要因になっており、職員全体の考え方・体質を改善する。
⑤先進的な施設を見学し、職員の行動を見て体感する。
取組の効果(改善点)
管理者の本来の業務(施設全体の管理)に意識を向け、行動できるようになり、ストレスから解放されることに繋がった。全てを管理者が行うことは、決して施設のためにならないことを理解することができた。