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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
社会福祉法人・社協
北陸甲信越・東海
事例No.0524
取組の背景
- 新人をはじめ、若手職員に電話応対やご家族への対応について課題がある。新卒者は社会常識に関する教育が不足しており適切な対応ができていない。中途採用者に対しては、改めて接遇研修を実施しておらず経験に任せている現状、そのレベルに個人差がある。また、接遇態度に対するクレームもあがっている。
- 熟練スタッフの意識改革に課題を感じる。長年のやり方に固執し、施設としての取組に沿わない行動をとっている、そのことに対して適切な指導もできていない。ベテランということで施設としても貴重な人材であり、意識の面での変化があれば重要な戦力なりうるため、どう対応したらよいか。
- リーダー層には、部下・後輩に適切な指導、注意ができずに悶々としている職員もいる。施設としてはリーダーとして見込んだ処遇だとしても、当事者はプレッシャーとなりストレスを抱えることになっている。プリセプターを任せた場合に於いても責任を強く感じ誰にも相談することなく、考え込んでしまうケースなどがある。若手職員とのコミュニケーション不足から、若手職員の早期離職となる事例もみられ、職場のコミュニケーションについても課題が多いと感じている
- 全職員(パートを含む)が共通の認識を持てていない。
取組の内容
今までは、職員が外部の研修に参加して、施設に持ち帰って施設内研修として他の職員へ伝えていたが報告会的な内容となってしまい、せっかく研修に参加しているにも関わらず内容が伝わっていない、また参加者が正職員中心という状況があった。
雇用管理コンサルタント相談、介護人材育成コンサルタント相談等実施後、ケア・サポート講習として課題解決のための全職員参加の研修を計画実施した。全職員が共通認識を持てるようになることを目指した。
初年度は職員全員が参加して接遇研修を実施した。次年度は体系的な研修カリキュラムを組み実施した(ビジネスマナー、チームワーク研修、管理・リーダー職研修)。
各研修は前半、後半と2回に分け参加者に事前課題として質問し研修を実施。半年後に研修参加者に再度受講してもらい、半年間の取組みの振り返りを実施し、次回に向けた行動化シート作成を行った。
取組の効果(改善点)
- ケア・サポート講習として施設の都合に合わせた時間に設定できたことによって、多くの職員(パート職員も含む)が研修に参加することができた。職員間での共通認識が広がった。
- 研修が現状に活かすことのできる内容だった。例えば指示を具体的に伝えるということを少し意識することで、職員間のコミュニケーションが変化してきた。よく使う言葉で「ふつう」という言い回しがあるが、一人ひとり「ふつう」の捉え方が違うということを理解できた。そのことを踏まえて他の職員への指示などにおいて具体的に伝えることの重要性を理解することができた。
- 講師に継続して担当していただいたことで、少しずつ研修の内容が職員に浸透してきている。
- 職員・利用者・家族との良好なコミュニケーションを行うためは、その入り口として接遇マナーがあるということを研修で学ぶことができた。