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20人未満 株式会社 中国・四国

事例No.0544

1.取組の背景

当事業所ではスタッフの約8割が子育て世代であり、参観日や懇談などの行事が重なる時期に、休暇の希望が集中する傾向があった。有給休暇の取得率が高いスタッフがいる一方で、事業所全体の平均有給取得率は低かった。短時間の所用でも1日単位で取得するなど、効率的ではなかった。また、利他的思考から同僚に迷惑をかけることを恐れて取得を遠慮するケースが見られ、子どもの成長機会や家族の都合を優先できない状況が生じていた。さらに、コミュニケーションにおける誤解や価値観の違いから職場内の人間関係に摩擦が生じることもあり、効率的な働き方や適正な評価制度が整備されていないことも課題だった。これらの背景から、心理的負担を軽減し、有給休暇取得率の向上、職場のコミュニケーションの円滑化、能力に応じた公正な評価を実現するための取組が必要となった。

2.取組の内容

取組1:柔軟な有給休暇制度の導入

当事業所では子育て世代が多く、子どもの行事が重なる時期に休暇取得の希望が集中するという課題があった。管理者の発案で時間単位での有給休暇取得を可能とし、制限なしで100%希望を通すルールを徹底した。スタッフ同士が互いにコミュニケーションを取りながら調整する文化を形成し、心理的負担を軽減することができた。シフト調整には多くの時間を要し、急な休暇にも対応するため余裕人員の採用も必要だった。しかし、子どもの成長機会や家族の事情を優先できる環境を作ることで、有給休暇の取得率向上と職員の満足度向上を同時に実現することができた。

取組2:リスペクトコミュニケーション研修

職場内でのミスコミュニケーションや価値観の違いによる人間関係の摩擦を改善するため、研修でリスペクトコミュニケーションを導入した。バリューズカードを用いて自己理解・他者理解を深め、スタッフは互いの価値観を休憩室に掲示して意識するようにした。研修には時間外手当やカード購入費がかかり、忙しい時は実践が難しい場面もあったが、相手の価値観を尊重する文化が醸成された。これにより、職種や役職に関係なく、風通しの良いコミュニケーションが実現し、心理的安全性の確保とチーム力の向上に繋がった。

取組3:能力・業績に応じた評価制度の導入

個々のスタッフの業務効率や能力を適正に評価(賃金にリンク)するため、年1回の自己評価・一次評価・二次評価による人事評価制度を導入した。理念の理解や業務への取り組みを点数化し、自由記載欄に成果や目標を記録、S~Dのランクに応じて昇給額を設定した。評価結果は個々にフィードバックし、年間を通して課題や目標を意識して仕事に取り組める仕組みにした。能力に応じた公正な処遇が実現し、スタッフのモチベーション向上と日々の業務意識の向上に繋がった。

 

3.取組の効果(改善点)

取組1により、時間単位有給休暇取得率は0%から88%に向上し、有給休暇取得に対する心理的負担感も27%から75%に改善した。取組2のコミュニケーション研修後のアンケートでは、役立った・重要と回答した職員は100%で、職場内の人間関係の円滑化や心理的安全性の向上に寄与した。取組3の評価制度導入により、昇給率は1.13%から1.57%に改善し、能力に応じた処遇が実現した。これらの総合的な取組により、離職率は取組前後とも0%(定年退職者及び副業として働く有期労働契約者を除く)を維持し、職員のワークエンゲージメントは高い。働くモチベーションは91%、職場への愛着は100%と数値で確認でき、組織全体の安定性と満足度の向上が明確となった。

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