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50人以上 株式会社 北陸甲信越・東海

事例No.0528

1.取組の背景

 人手不足と言われる時代だが、女性たちの希望となる会社を目指している。従業員約300名のうち管理職はすべて女性、男性は僅か3名の会社である。普通の主婦たちが介護の仕事を通して自分を成長させ、職員一人ひとりが自立し、それぞれ存分に力を発揮し、夢を持ち続けて働き続けることのできる会社を目指した。

2.取組の内容

 職員のキャリアアップ、介護技術の向上のため、徹底した人材育成(社員教育、教育システム、チーム育成)を行った。県の介護人材育成事業者認定制度事業に参加することにより、雇用管理改善や人材育成に積極的に取り組んだ。

(1)自ら考えさせる社員教育、きめ細かい教育システム

「教える」のではなく「考えさせる」という社員教育により、自ら考えて本質を理解させることで応用力を身につけ、自分で正しい判断ができるようにする。

(2)チーム育成術

 「チームとしてともに成長する」「チームで働くこと」という意識の徹底により、失敗やトラブルが起きたとしても隠すことなく全員の問題として取り組んでいる。誰もが自分のknow-howやスキルを惜しみなく提供し、全員で共有する。悩みについてもチームで相談し納得いくまで考え、仕事と家庭の両立の悩みにも相談できる体制をつくることにより、チーム力の強化、離職率の低下を目指した。

(3)利用者の立場に立ったサービス

 相手の立場に立つことを重視した。利用者の自立を支援し、尊厳を守るという理念のもとでより良いサービスを提供するには、深い知識と利用者に対する理解、状況に応じた判断力が必要となった。

3.取組の効果(改善点)

徹底した人材育成、~驚異のチーム育成術~により業務管理改善の取り組みをした効果

・排泄などの利用ニーズに絞り「短時間巡回訪問サービス」を導入している。オムツ交換など1日に必要なサービスの回数増加を可能にしたことで利用者満足度のアップにつながり、困難だった訪問介護の労働生産性の向上が実現できた。
・ICTを導入して情報共有と業務効率化を推進したことにより、業務がリアルタイムで把握できるためミスの回避にもつながった。また、事務量の軽減、紙媒体の大幅な削減ができた。職員の出勤表のICT化では勤怠システムと給与システムを連携させ、業務の自動化により作業時間が削減できた。ミスもなくなり大幅な業務効率化ができた。
・サービスの向上のため、利用者を中心に考えることを徹底した。利用者の「自立」のため、何ができるかを追及できている。
・人材育成、業務改善が育児をしながらでも働きやすい環境づくりにもつながり、出産・育児を理由にした離職者はゼロである。パート職員が時給制だけでなく固定月給制を選択できるため、安心して働き続ける環境を整えることができている。徹底した人材育成、チーム育成により、他事業所では出来なかったことを可能とした。自分の努力次第でキャリアアップが可能であることで長期勤務年数の人が多く、離職率を格段に抑えられている。離職率は10%、介護など家庭の事情で退職しても復職率は20%である。

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