- ホーム
- 分野から事例を探す【訪問】
- 事例一覧
- 事例No.0527
事例No.0527
1.取組の背景
介護業界では慢性的な職員不足となっている一方で、利用者は増加しており事業の継続や有事の際に早期復旧を図ることは非常に重要となっている。そのために、既存職員の定着、若年層の新規採用を進めたいと考えており、職員が安心して働きやすい、働き甲斐のある魅力ある職場を目指して様々な改善に取り組もうとした。
課題
(1)災害、感染症拡大など有事の際の事業継続計画が策定されておらず職員が不安を抱いていた。
・少数精鋭の職員で利用者対応をする必要があるが、有事の際の各職員の役割が不明確であった。
・利用者のご家族から、有事の際の被災状況、運用開始目標を迅速に知りたいとの意見が寄せられた。
(2)キャリアパス評価
・職員全員が目標に向かい、働き甲斐を持って活動できるような明確なキャリアパス評価表がなかった。
(3)人事評価制度
・これまでも評価制度はあったが、不明確であり全職員に周知・認識されているとは言えなかった。
2.取組の内容
(1)課題の確認と現状の把握を実施
①職員が安心して働ける環境か
・平常時は問題ないが、災害や感染症拡大など異常事態が発生した際の各職員の役割、連絡体制が明確でなく職員が不安を抱いていた。
・利用者に対して、災害発生時の施設の状況や回復目処などを知らせる仕組みが無かった。
②全職員がキャリアアップの目標をもった働き甲斐のある職場か
・日々の業務に追われ、キャリアアップの目標などは意識できておらず、評価制度の理解も低い状況であった。
(2)明確となった課題に対しての取り組み
①事業継続計画(BCP)を策定し、災害発生時、感染症拡大時でも、職員の安全を第一に考えた上で職員間で手分けして対応できる様に役割を明確にした運用体制を確立。
②全職員が日々事業所の目標を理解した上で、個人の目標に向かって活動し、それに対して公平で納得できる評価となるように、職員自らが5段階の評価基準を作成し、管理者に提案を行った。
評価は、5段階評価とし、自己評価に対して評価者が決定する仕組みとした。基本的な活動である利用者への日々の挨拶や、社用車の取り扱いなどについても評価ポイントとして取り入れ、日々の地道な活動も評価項目とするなどの工夫も盛り込み、評価制度の仕組みを全職員に見える化した。
3.取組の効果(改善点)
事業継続計画(BCP)策定と、キャリアパス評価表及び評価基準の明確化を実施し、両方の活動を職員に対して見える化したことで、職員のモチベーションも変わり帰属意識が高まり離職者ゼロとなっている。
災害や感染症拡大などの非常事態となっても、メッセージアプリを主な緊急連絡手段として位置づけ、職員の安全を第一に考えた業務継続プランとしたことで、自身がやるべきことが明確となり、日頃から安心して働けるようになったとの意見が寄せられた。同時に、事業継続計画(BCP)に沿った体制の確立、回復目標をいち早く周知できるようになり、利用者にも安心して頂くことができる。
また、キャリアパス及び評価基準の作成にあたっては、被評価者である職員自ら参画してもらうことで理解が得られ易い仕組みとなった。各職員が目標をもってキャリアアップを目指しながら活動できるようになった。