事例No.0515

訪問介護事業所として12年目となった。
事業開始時は職員が集まらず、また、新規参入事業所として仕事の依頼が思うようになかった。対応の難しい利用者を紹介される事が多かったが、丁寧な対応を一つひとつ積み重ねてきた結果、信用度が増して事業として安定してきた。事業開始6年ほどで職員が4名から10名体制になり、経営の安定を図れた。しかし、毎年の職員の入れ替えが多く、事業運営の安定化が必要であった。離職防止、人材確保、事業の安定運営を目指したいとの思いで、雇用環境の改善、人材育成の課題に取り組むこととした。

1. キャリアパスの導入（職員は安心して将来設計ができる)
2. 人事評価制度創設と賃金制度の改善や目標管理制度の導入（毎月の自己評価、年3回の人事評価)
3. 介護職員処遇改善加算の取得（現行加算Ⅱ、ベースアップ加算取得済み、現行加算の上位取得と特定加算はタイミングを見て申請する)
4. パート職員の事業所負担健康診断の実施
5. 事業所内のコミュニケーション機会の充実（事業所負担で年3回の懇親会。日常的に事務所で経営者と気軽に話をする機会もあり、経営者が職員の状況を把握できる)
6. 利用者・家族からのセクシャルハラスメント対策（利用者宅でセクシャルハラスメントがあった場合、同行訪問やサービス打ち切りの手立てがあることで、職員は安心して仕事に打ち込める)
7. 集団相談による職員の健康確保（メンタルヘルス・腰痛予防・感染症予防)

1. 毎月の勉強会（情報提供や情報共有、職員全員で介護技術・知識のレベルアップとケアの統一を図る)
2. 資格取得支援制度の導入（実務者研修受講時に3万円の費用援助)
3. 手当の創設（実務者研修修了者5千円/月、介護福祉士1万円、パート職員にも一律適用)
4. 人材育成集団相談の活用（モチベーションアップ・組織がレベルアップし合える仕組み作り等)

   取組の効果（改善点)

1. 目標管理制度により各自の介護技術等のレベルが確認でき、改善目標が明確になった。また、目標を達成した時の職員はやりがいや達成感を感じることができるし、事業所全体のレベルアップにもつながった。
2. 全員が集まる機会が少ない中、懇親会や経営者との密なコミュニケーションで意思疎通を図った結果、利用者とのトラブルや職員同士のトラブルが少なくなった。
3. 介護職員処遇改善加算等での賃金アップも含め、雇用管理改善を進めたことにより、離職者数が減った。
   （平成30年5名、令和4年1名）

1. ケアの統一が図れ、利用者からの苦情が減った。
2. 資格取得支援制度は、やる気のある職員に効果的である。今回入職する職員もこの制度を利用して実務者講習を受講していく予定。
3. 職員を外部研修に派遣する事もしているが、介護労働安定センターの人材育成集団相談は、職員全体で情報の共有ができる利点が大きい。それまでは知識や経験の少なさで声を上げられなかった職員も意見を言える雰囲気になり、積極性が見られ、且つ事業所内の一体感が生まれ、事業運営にも好影響を与えるようになった。

• キャリア管理 ― キャリアパス
• キャリア管理 ― 目標管理
• コミュニケーション管理 ― コミュニケーションを促す職場づくり
• 能力開発 ― 能力評価
• 配置管理・稼働管理 ― 緊急連絡・トラブル対応
• 安全管理・安全衛生・健康管理 ― 感染症等の予防対策
• 安全管理・安全衛生・健康管理 ― 安全衛生の研修
• 能力開発 ― OffーJT