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20人未満 株式会社 九州

事例No.0513

取組の背景

法人を設立する際に、介護職員のための法人を作りたいと考えていた。法人設立前に勤務していた頃に、

  • ①介護職員の処遇を改善したい
  • ②ワークライフバランスを実現したい
  • ③経験・年齢だけの判断ではないキャリアを構築したい
  • ④介護職のイメージを改善したい

等を感じていたいたため、それらを改善できる仕組みを作りたいと考えていた。

また、入職間もない職員からストレスを抱えている等の悩みを聞き、管理者としてどう対応したらよいのか悩んでいた。

取組の内容

① 介護職員の処遇を改善したい

・処遇改善加算(Ⅰ)、特定処遇改善加算(Ⅰ)を取得している。また当事業所のメイン事業は少数精鋭で展開できる仕組みであるため、加算の分配率が高く、一般職(夜勤なし)で年収300万以上支給できている。介護福祉士など有資格手当は高めに設定しており、現行は看護師以外のスタッフはすべて介護福祉士取得者である。尚、指導員レベルで年収350万以上、管理者で450万以上、キャリアに応じてしっかりと収入に反映できるよう賃金体系を構築している。

② ワークライフバランスを実現する

  • 休憩時間と休憩場所(調理、シャワー使用可、仮眠スペースあり)を確保している。
  • 月9日間の休日に加え、希望休は制限なしとしている。月間カレンダー式でそれぞれ必要な希望休を記載しており、他のスタッフの希望休が一目瞭然であるため、法人側から依頼せずともスタッフ同士で調整を行っている。
  • シフト制(早番・遅番・日勤・夜勤)4交代を組み合わせている。例えば、日勤のみ、早番+遅番、夜勤のみ、早番+日勤の組み合わせである。これにより勤務間のインターバルは12時間以上確保している。
  • スタッフ会議はZoom等を利用し、勤務として自宅からの参加も可能としている。
  • 子供の行事など家族の行事については参加を促し、勤務時間の短縮や休日調整を月の途中でも申し出やすい環境づくりをしている。時間単位の有休取得も可能としている。

③ キャリアの構築

・キャリアアップの流れとして一般職、指導員、管理職となるが、今後は未経験者であっても資格取得からサポートし、3~5年内に事業所管理職、その後、独立までサポートをしたいと考えている。現在は、全職員が資格所持者であるため該当者がいないが、上記のような考えのもと求人票には未経験者可と記載している。

④ 介護職のイメージ改善

  • ICT化を推奨しており、会社支給のスマホやパソコンで全ての記録や利用者情報の取得が可能である。
  • 訪問ルートの見直しを日々行っている。また訪問時の入退室は事務所側でリアルタイムで状況が把握できるシステムで、必要だと感じた際には調整を行い、定時退社としている。
  • 訪問系であるため、1対1が基本となる。会社から1人1台業務用スマホを貸与しており、グループLINEを作ってやりとりしている。また、孤独化させないためにSNS利用を推奨しており、SNSには状況報告だけでなく様々な内容をアップしている。いつでも応援を呼ぶことを促しているため、経験が浅いスタッフが安心して業務ができるようサポートを行っている。
  • TwitterやInstagramなどSNSを活用して様々な発信はもちろん、定期巡回のサービスを行っている事業所が県内に5事業所と少ないため、他県の事業所と情報交換等をするため、オンラインコミュニケーションにも多く参加している。職場内の会議等もZoomを利用して自宅からでも参加できるようにしている。

⑤ その他の取り組み

・事務所の売上高等を全職員にオープン(訪問1分単位の単価まで出している)にしている。

取組の効果(改善点)

  • 働きやすさを追求しており、現行のスタッフはリファラル採用(※)のみである。訪問系のため目が届きにくい部分があるが、スタッフからの紹介であることで、人となりを十分に理解、評価した上で採用できている。
  • ICT化を推奨しているため、記録にかかる時間を大幅に短縮でき、現在の残業は突発的な利用者対応によるもののみである。
  • 職員に売上高をオープンにすることで、サービス提供の在り方について常に見直しを行う風土作りができている。売上高に応じて、自身の給与及び賞与面に反映されることを理解できているため、仕事に対するモチベーションが高い。
  • 孤独になりがちな訪問系だが、SNS利用で情報共有し連携をとり、チーム介護であることを意識づけているため、必要時には他のスタッフが協力して代わりに訪問するなど臨機応変な対応ができている。
  • 職員のストレス対応については、介護労働安定センターのヘルスカウンセラー相談で支援を受けたことで的確な対応をすることができ、該当職員は現在も就労できている。

(※)リファラル採用・・自社の社員から友人知人を紹介してもらい採用すること。

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