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20人未満 その他 九州

事例No.0504

取組の背景

平成31年に訪問介護事業所を開設したが、当初より慢性的な人材不足の状況があった。事業所としては、広く介護の仕事に興味がある方であれば採用につなげたいと思い、ハローワークに求人募集を出しているが、全く反応が無い状態である。新規のご利用者様の問い合わせが増え需要が多くなるも、人材が不足しているため利用をお断りするケースが多くあった。そこで、どのようにしたら人材確保できるか検討し以下の取組みを行った。

取組の内容

①有料の求人サイトでの募集
金額により上位掲載可能というシステムだが、新規事業所のため求人に拠出できる金額に限りがあることから期間限定にて依頼した。

②ダブルワークの推奨。他の介護事業所と兼業を認めている。

③資格取得支援
同行援護従事者養成研修の費用や職員が興味のある他の研修などについて、費用を事業所負担(半額または全額)し、業務の一環として受講してもらう。

④働きやすい職場の環境づくり
事業所が職員同士のコミュニケーションの場となるよう、福利厚生の一環としてお菓子や飲み物などを設置した。また、報告・連絡・相談がしやすい環境にするため、事業所でチャットツールを活用してグループを作った。全員で活用し、ご利用者やスタッフ自身の状況や様子、変化等を報告するようにした。全員が共有する事で次回の支援や勤務調整につなげている。些細な事でもフォローできるような体制づくりに努めた。

⑤勤務時間や体制の工夫
早出、遅出の勤務シフト制にし、自分のライフスタイルに合わせて勤務できるよう配慮した。

取組の効果(改善点)

①電話での問合せは5人ほどあり、そのうちの1名が採用につながった。
資格はあるが現場の実務は未経験であった為、研修会への参加や、ベテラン職員との現場同行を複数回に渡り行い、本人が自信を持てるようフォローすることで、今では安心して任せられるくらい活躍する職員へと成長した。

②ダブルワークを可能にしたことで、本職が休みの人や子育ての手が離れ週1~2回就業してくれる訪問介護員を2人確保できた。

③職員の生活に合わせた時間で勤務できるようになったことで、収入も増え職員の生活の安定につながった。職員も互いに急用で勤務できなくなった場合等にも「お互い様」の気持ちの雰囲気が構築されており、勤務可能なスタッフがフォローしてくれている。

④積極的に資格取得や研修会へ参加するようになり、それが職員の自信となり、仕事に還元されている。

⑤現在は新型コロナウイルス感染予防対策のため、事務所に待機する時間も短くなってきているが、ストレス解消になるよう、お菓子や飲み物などは珍しい物を置くよう配慮したところ職員に好評である。
職員間やサービス提供責任者とのコミュニケーションが取れるようになり、報告・連絡・相談を細かく行えるようになったことで、ケアマネジャーやご家族様へも些細な事でも報告ができるようになり、喜ばれている。職員間の情報共有ができ連携が取れていることで「安心して働ける」ことから、離職者はいない。

なお、ハローワークでの求人募集は、介護業界への求職者に事業所を知ってもらうためのツールとして役立てている。

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