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50人以上 株式会社 中国・四国

事例No.0485

取組の背景

◇介護サービス事業の拡大に伴い、人材(財)の確保が難しく、如何にして在職者の離職を防止するかが法人てして最優先課題となっている。
平成9年に訪問介護事業を開始、現在は居宅介護(1)、訪問介護(3)、訪問看護(1)、通所介護(7)、グループホーム(2)、サービス付き高齢者住宅(2)、有料老人ホーム(2)、福祉用具(1)を展開している。
事業所及提供サービスの拡大に伴い、個々の課題解決に日々取り組んでいるが、法人全体として人材の確保への不安が年々強くなっている。
中期及び単年度事業計画を遂行する上で、現在の職場をどの様に点検、評価し、強味、弱みを分析できるのか、外部の目からアドバイスを欲しいと思っていた。

◇職員の離職理由には、「人材不足からくる事業所の運営への不満」「将来への不安」「やりがいが見えない」また若年層職員には「業務多忙」「燃え尽き症候群」といった傾向もみられた。

◇女性職員が多いという特性からも、女性にとって「魅力ある職場」であることが求められている。

◇職員の育成、研修は、制度、体系は整備してきたが成果が上っているとは言い難く、特に中間管理者層のマネジメント力に不安がある。

取組の内容

介護労働安定センターに相談し、3回に渡りアドバイスを受けた。

◇最初に、人材(財)の育成、社内教育の取り組み状況を相談(介護人材育成コンサルタント相談を依頼)し、現在体系化している新人採用時研修(4日間)のプログラム、採用後の半年間のOJTプログラム、定期的な集合研修、社内プロジェクトによる研修、公的資格取得支援制度についてアドバイスを受けた。
⇒(課題・取組みアドバイス)
プログラムは、内容、期間、対象者とも適切なものとの評価をいただいたが、職員のモチベーションアップにつながる様に人選し成果につなげる。職場内でのOJT(管理者の指示、相談、援助)がより重要である。

◇キャリアパス、人事評価制度について相談(雇用管理コンサルタント相談を依頼)
⇒(課題・取組みアドバイス)
①組織、サービスが多様化しており改めて法人及び事業所の経営理念、ビジョンの浸透を確認する必要がある。
既存の「クレド」を再評価し、これを全職員に浸透させる。
②自社版キャリア段位制度、昇級基準表、MBO個人別目標管理制度及び所属事業所管理者との面談制度を点検、いずれも詳細な内容となっているが制度運用が機械的になっていることが危惧されるとのことから、改めて面談を最重要施策として管理者と職員間で実施することとした。面談の進め方について管理者向け検討会を実施。

◇取組み
⇒既存の諸施策が、制度導入後形骸化し、作業負荷感すら生じさせている。いずれも内容面では十分機能するものとの評価をいただいたので、改めて事業部のマネジメント体制の中で役割り分担を再確認し、現場での課題解決力を上げるため、事業所管理者のOJT力と面談スキル力の向上に取り組んだ。

取組の効果(改善点)

◇ケア事業部のトップ管理者として、今後の人材(財)確保への不安、提供サービスの拡大展開への焦りを感じていたが、今回介護労働安定センターに相談、アドバイスをいただいたことで、課題の整理及びこれまで取り組んで来た諸施策を一部ブラッシュアップし、再度導入主旨に立ち返り組織内へ浸透させる覚悟が出来た。

◇トップ管理者(部長と次長)及び事業所管理者が、日々の業務に追われ職員への個別の関心が薄れていたことに気づかされた。
改めて、以下の諸施策の再浸透を図った。

①ケア事業部の各事業所管理者に対し、改めて管理者に期待する役割、マネジメントの優先順位を徹底した。
②職場の強みとしてこれまでの諸施策を再度、説明し浸透させることで、他社に優る「魅力ある事業所」であることに気づいてもらった。
③「やりがい」「帰属性」再確認のため自法人の「クレド」の存在を大切にし、再浸透と共感を図った。
④採用後、一定期間毎に人材育成プログラムとして研修が用意されていることと日々のOJTに活かされる内容となる様、社内研修プロジェクトで主体的に内容の検討を行った。また、公的資格取得支援制度も積極的に利用を促した。
⑤提供するサービスの質を担保する為、自社版キャリア段位制度と個人別のMBO目標設定シートの運用に当たり管理者の動機づけ面談を最重要な時間と位置づけ、その進め方について管理者間で意識統一を図った。

◇今後、特に管理者層の育成及びマネジメントスキルの向上に当たっては、外部の支援も活用して取り組んで行く。

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