雇用管理サポートシステム

事例No.480

○訪問介護の職員数(規模):20人以上50人未満 ○法人形態:有限会社 ○地区:関東

取組の背景

①どのようにしたら人材が集まるか?どのようにして確保をしたらよいか?ハローワークに求人を出しても応募がない。新聞の求人サイトに出しても反応がない。

②訪問介護員の高齢化が進んでいる。主となり働いてくれている方々が60才後半になり、家庭での介護や自分の病気等を口にし始めている。もし、この方々が働けなくなったらどのように運営をしたらよいか悩んでいる。

③利用者の確保に悩む。利用者からの希望はあるが、身体介護の仕事をケアマネジャーから依頼されることが少なく、生活援助の仕事が大部分では収益が少ない。どのように利用者を確保し、利益にも繋げたらいいのか悩んでいる。

取組の内容

①人材確保について

 ・介護労働安定センターのアドバイスを受け、市の担当課に協力を要請して、相談したり情報を得るようにした。積極的に足を運ぶよ  うにした。
 ・短時間や週に何日でも働きたいというシルバーの方にアプローチをする。新聞の求人サイトに応募をかける際「60才以上限定」とか「60才代の方が頑張っています。」などの一言を添えることで、高齢の方や主婦や介護の経験がある方が応募しやすいように工夫をした。
 ・会社が交通量の多い通りに面しているので、窓ガラスに「2,3時間でも働いてみませんか?」等、目に留まりやすいフレーズで勧誘の張り紙等をした。
 ・知人に介護の仕事を求めている外国人がいるので、どのような形で協力してもらえるのかを役員会で話し合うこととした。 
 ・介護労働安定センターのコンサルタント相談で紹介されたインターネット求人サイト(民間)も検討することとした。
 ・近くにある福祉系の学校にアピールをして、体験してもらえるよう働きかける。
 ・80年という、家政婦紹介所の知名度を生かして、大学病院などにも売り込みをする。

②訪問介護職員の高齢化について

 ・訪問介護職員には健康診断を受けてもらい、無理のない働き方を提案しながら、①の人材確保対策を進めていく。

③利用者の確保について

 ・積極的にケアマネジャーにアプローチをして「今は○○ならできます」とできることをアピールする。できるだけ身体介護も依頼してもらえるようお願いをしていく。
 ・市だけでなく隣接している市町村への働きかけもする。

④その他

 経営状態の厳しいことを、役員会できちんと話をする。代表取締役が一人で背負わずに、事業承継者(代表取締役の長男)も含めて新しい考えを出し合い、今後の方針について忌憚のない意見を話し合えるようにしていくこととした。

取組の効果(改善点)

①人材確保

 ・上記の様々な取組みを行うことによって、問い合わせも少しずつ増えてきた。特に大学病院へのアプローチにより、訪問介護をしていた方の家族の方が、今までお世話になったのでお返しをしたいと、2人入社となり現在も働いていただいている。

 ・外国籍の方も介護の仕事を求めているので、どのような形で協力してもらえるか、積極的に動くこととなった。

②役員会での話合い

 ・経営状態が厳しいことを話し合ったところ、事業承継者が新しい考えを出したり、収支増を目指して今まで以上に皆で頑張っていこうと方向性が纏まった。

 ・事業承継者が介護の資格を取得し、他の事業所で勉強も兼ねて働き、経験を積んでいる。