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20人以上50人未満 株式会社 九州

事例No.0477

取組の背景

①サービス提供責任者の業務効率化

  • 現場ヘルパーの記録や情報共有に関わる手間や時間を減らしたい。
  • サービス提供責任者がヘルパーへの指示や申し送り、シフト変更の連絡を電話やメールで行うことに多くの時間を要しており、効率化が必要となった。
  • 訪問の抜け洩れやシフトの変更連絡のミス等が発生しており、その穴埋めに余計な人手がかかってしまう。
  • 請求業務に際し、実績記録を中々持ってこない職員がいるため業務が滞ってしまう。
  • ITが得意な職員が少ないので、そういった人材でも使いこなせるシステムを導入する必要があった。

②給与計算業務の効率化

・登録ヘルパーの賃金計算が複雑で、各自の提出する勤務実績に応じた計算に時間と手間がかかっていた。
従来は手計算で行っていたが、登録ヘルパーが20人を超えると、給与計算に数日を要するようになり、管理業務に影響があった。また、計算誤りもあり、ヘルパーに迷惑をかけた。(翌月精算)

[賃金体系]

  • ①身体と家事で時給が異なる
  • ②時間帯(日中、夜間、深夜)毎の加算
  • ③日曜、祝祭日の加算
  • ④利用者間の移動加算
  • ⑤キャリアパス要件に合致した資格毎(介護福祉士、実務者研修、基礎研修、1級)の加算
  • ⑥処遇改善加算。処遇改善加算額(率)は介護保険サービスと障がい福祉サービスで違う

取組の内容

①サービス提供責任者の業務効率化

  • 業務の効率化を図るため、ICTの活用を進めている。
  • スマートフォンとICタグを用いて、サービス記録の記入を行なえるシステムを導入。
  • ICタグは利用者用とヘルパー用に分かれており、利用者用はICタグにタンパー(剥がし)防止機能があり他利用者への流用が出来ないようになっている。
  • ヘルパーにはスマホ端末(通話不可と通話有を用途別に)を支給し、インストールされたアプリを通じて個別のシフトの連絡や指示事項、利用者に関する情報共有、申し送り等が行えるようにした。同一利用者への複数回介入時等、一斉周知が可能になった。
  • サービスの予定に変更があった場合は、システムを通じて、リアルタイムに情報を共有できるようにした
  • サービス提供責任者は、インターネット経由で送られてくる提供記録をリアルタイムに確認し、実績の承認作業を行った。
  • ICタグによって、提供開始・終了の時間を自動的に記録することによって、開始が入力されていない場合はアラート機能を設定し、ケアの抜け洩れを防げるようにした。

②給与計算業務の効率化

  • ヘルパー請求ソフトからサービス提供実績をエクセルファイルにデータ抽出(請求ソフトのオプション機能)できるようにした。
  • サービス提供実績データを用いて、給与計算及び計算結果チェック機能を有するアプリケーションを内製及び外注して作成した(Microsoft Access 及びExcelマクロ)。

取組の効果(改善点)

①サービス提供責任者の業務効率化

  • 利用者への訪問履歴や提供記録がタイムリーに確認できるので、情報共有が円滑に行なえるようになった。
  • シフトの変更や申し送り、指示などの連絡にかかる時間が大幅に減り、サービス提供責任者が他の業務に集中できるようになった。また、訪問洩れが解消され、ケアの質が向上した。
  • 提供開始・終了時間が正確に記録されるので、ヘルパーの時間意識が向上した。
  • 月末月初に集中していた請求業務にかかる事務作業の時間が分散され残業が減った。
  • ICタグをかざすだけで音声入力も可能なので、ITが得意ではない職員でも使いこなすことが出来た。
  • ヘルパーが実績記録を持ってくるためだけに事務所に来訪しなくても良くなったので、その時間を研修に充てることができるようになった。
  • クラウドサーバーに提供記録のデータが蓄積されるため、事務所に紙を保管しておく必要がなくなり、記録用紙のコスト、保管のコストが削減された。

②給与計算業務の効率化

  • 給与計算に要する時間が大幅に軽減できた(毎月3~4時間程度)
  • ヘルパーが増えても給与計算に要する時間はほぼ一定に収まる。
  • サービス提供実績に記入する時間が賃金に反映されるため、ヘルパーの提供実績記録作成の意識が向上した。
  • 処遇改善加算Ⅰの要件を満たすキャリアパス要件に合致した資格手当を新設した際にも、簡単なカスタマイズで対応できた。
  • 処遇改善加算額(率)の制度変更にも簡単なカスタマイズ(パラメータ設定)で対応できた。
  • 職場定着支援助成金(介護労働者雇用管理制度助成コース)の支給が決定した。

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