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20人未満 株式会社 九州

事例No.0474

取組の背景

開業し1年近くが経ち、利用者様が増え、現在の人員では対応できないケースも出てきた。経営基盤を固めるためにも稼働率を上げることが必要であるが、子育て世代である職員にとって、労働時間の延長や休日出勤を増やすことは難しい。今後は職員を増やすことで安定した経営に繋げたい。

しかし、少人数で運営しているため、職員一人の採用も事業所の経営を大きく揺るがすという心配もある。創業時からいる今の職員は経営方針に対する理解度も仕事に対するモチベーションも高く、全員同じ目線で仕事に取り組んでいるなか、既存職員のモチベーションを下げることなく相乗効果を生む、より理想に近い人材を確保するにはどうしたらよいかと悩んでいた。

取組の内容

介護労働安定センターに相談し、アドバイスを受け以下のことに取り組んだ。

・求める人材像を明確にするため、コンサルタントから提示された「コンピテーション・ディクショナリー」を使用し、働く上で求められる資質項目から特に会社が大切にしていること、職員に備えて欲しい資質を選び、その項目をより具体化し、求める人材要件を定めた。また、この要件を備えているかどうかを面接で測るための質問を検討し、質問に対する回答の採点基準を定めるなど、採用基準制度の策定を行った。

・公正、公平な面接ができるよう面接手順を下記の内容でマニュアル化した。

  • ①これまでの経歴の説明を求める
  • ②転職理由、志望動機等について尋ねる
  • ③募集・採用の背景について説明する
  • ④③について質問を受ける
  • ⑤人材要件に合わせた質問をする
  • ⑥最後に疑問点がないか確認する

①~④までは、一般的な内容で事前に準備している可能性もあり、ここまでで応募者の緊張をほぐすことができるかがポイント。
⑤の質問・回答で求める人材であるかどうかを確認する。

応募者の回答を、事前に決めた回答基準に照らし採点。要件を備えた人材なのか、回答にじっくり耳を傾ける。曖昧で疑問に思うことがあったら質問を追加し深く応募者の人柄や行動パターン、考え方などを確認する。

取組の効果(改善点)

採用基準制度を策定したことで、求める人材像が明確になり、面接基準をマニュアル化することで公正、公平な面接が可能になった。結果、能力の高い人材の確保が実現でき、稼働率の向上にも繋がった。

また、採用基準を明確にしたことで、求める人材要件だけではなく、応募者の個性を見つけることもでき、今では当初決めていた基準値だけで採用を考えるのではなく"個性を活かし育てる"という戦略をつくる基盤にもなっている。

現在では実務者研修修了者等、4名の職員が増え、経営も安定してきている。

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