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事例No.0264
取組内容
テーマ:非常勤職員の雇用の「サスティナビリティ」(持続可能性)
1 能力開発
①考え方・体系・・・
○非常勤こそ会社の理念実現=介護サービスの中心であること
②Off-JT・・・
○全体研修会、来社時に経営トップが直接語りかける機会をできるだけ設けてきた「人間味あふれる会社でありたい」
③新人教育・・・
○入社時の非常勤研修では、企業理念、介護従事者としての心構えを文書で丁寧に説明している(理念の徹底した共有)
2 コミュニケーション管理
④カンファレンス・・・
○ケース会議、小規模の研修の積極的開催(ケアの質をともに作りだす姿勢)
⑤職場環境づくり・・・
○「△△」という会社のロゴの入った制服を毎年リニューアルし、研修会で職員に配布している (「△△」で働くことへの誇り、帰属意識を作り出す)。
○非常勤職員の雇用のあり方を外部研修会で経営陣が講師として講演(社外でも会社の理念を発信)
→他事業所からの転職希望者が増えた。
○シングルマザーや障害者の積極的雇用
ア)会社経費で「シングルマザー母の会」を開く(直行直帰の「孤独感」を働くものの親睦感で乗り越える)
イ)「社会的な弱者」の就労を積極的に保障する会社の理念の共有(支えあう人権意識共有)
○直行直帰の実働制賃金(出来高)のなかで収入・処遇・雇用の安定化の努力
ア)営業努力による利用者の拡大=非常勤職員の収入の拡大(売り上げ高の拡大の前提であり帰結である)
3 キャリア管理
⑥キャリアパス・・・
○非常勤から正規職員への登用(会社における自己実現の窓口を開く)
○60歳以上の積極的雇用。少子高齢化社会の雇用のあり方を目指す。
ア)非常勤職員には定年を設けていない。要介護申請をする日が「定年」
イ)80歳は大横綱、70歳代は大関、60歳代は前頭、50歳代は「若者」
取組の背景
1 能力開発 、 2 コミュニケーション管理 、 3 キャリア管理
○ 平成13年の創業以来、一事業所で○○都市圏全域をカバーする体制であった。
○ 必然的に非常勤職員の大半が直行直帰の職員となった。
○ またその7割は2級ヘルパーをとったばかりの新人であった。
○ 会社への帰属意識、介護サービスへの規範意識をどう作るかが課題となった。
○ 職員構成は93%が非正規職員であり、96%が女性である(内シングルマザー14名)
○ 年齢は最高齢が84歳、70歳代3名、60歳代6名であり、下は17歳
○ 女性労働、主婦労働としての「103万の壁」「社会保険の扶養の範囲」という常用雇用化の壁があるなかで、これを前提とした雇用の「安全化」「持続性」(サスティナビリティー)が課題となった。
取組の効果
1 能力開発 、 2 コミュニケーション管理 、 3 キャリア管理
○ 創業当時数人からはじめたが全支店で200人を超える非常勤職員を雇用できることとなった。
○ 非常勤職員の離職率が極めて低く、安定した雇用が実現できた。
○ 非常勤からデイサービスやグループホームへの職務変更や正社員化が多数できた。
○ 65歳以上のスタッフが生き生きと働ける職場となった。結果として、他職種の退職者の受け入れが多くなった。
○ 「ADHD」をもつヘルパー(訪問介護員)も働ける職場となった(人権意識の共有化)
○ 他事業所在職者から面接希望は「うれしい悩みの種」
○ 他事業者の廃業に伴う非常勤職員の大量受け入れという事態もあった。