雇用管理サポートシステム

事例No.239

○訪問介護の職員数(規模):50人以上 ○法人形態:有限会社 ○地区:中国・四国

取組内容

1 能力開発
①考え方・体系・・・

○研修体制を強化している。

ア)マンツ-マンによる採用時の新人基礎研修

イ)初回訪問、OJT研修(主任ヘルパーによる指導)

ウ)定期内部研修(月1回)、専任の担当者を設置し、年間計画を立て、テーマ別勉強会を行っている。 全ヘルパー(訪問介護員)対象。

エ)主任研修、週1回 

オ)外部研修参加

カ)随時困難ケース事例検討

キ)当該事業所のための介護福祉士の受験対策講座を開いて、合格率を上げている。

○ヘルパー養成機関からの実習生を受け入れる。経験を積んだヘルパーが指導している。

○幹部ヘルパーが各々専門分野を担当し、計画立案、実行、目標達成に努めている。

(・実績管理、営業、広報担当  ・モニタリング、書類管理担当  ・研修担当   ・実習担当等) 

取組の背景

1 能力開発

○ 現在、専門学校や公・民等が地域において、ヘルパー養成講座を開いているが、実際130時間の講座を経て、ヘルパーの2級を取得したとしても介護の専門職としての能力は、素人に等しい状況にある。

○ 反面、利用者の立場からすると、ヘルパーとは介護のプロという言う見方をされており、そこには大きなギャップがある。特に在宅介護に関しては、その仕事の性質上、家事・介護能力およびヘルパーの人間性・社会経験などからすると、スタート時点から既に大きな差が生じている。このような状況からみて、全体の介護職員の技術・質の向上の底上げを図る必要性に迫られている。

○ ヘルパーの人材確保の困難さ、定着率の低さにも大きな問題がある。

○ 介護職の身分の不安定さ、重労働であるにもかかわらず待遇面での不備が要因であると考えられるが、介護報酬との絡みで事業所努力にも限界を感じている。

○ しかし、「介護業務」をどのように捉えるか、ヘルパーの仕事に対するモチベーションをどのように上げていくかを考えたときには、「教育」「研修」に力を入れざるを得ない。

○ 要するに、人が人を支えあいながら、地域で暮らしていくということには、個人の技量にゆだねるのではなく、組織を挙げて、学び支えあわなければならないと考えている。

取組の効果

1 能力開発

○ 在宅介護は、利用者の生活がベースにあり、百人百様の多様なやり方がある。ヘルパーの基礎研修だけでは応用しきれるものではない。

○ より多くのケースを担当し、現場の経験を通じて、能力を高める事になる。しかし、そこに到達するまでにヘルパーが挫折することのないように、段階別に研修や個別のコミュニケーション、相談・助言等で、サポートしていくことで、ヘルパーの離職率を抑えている。

○ 研修やコミュニケーションを図っていくことで、ヘルパーの意識啓発を積極的に行い、介護技術の向上や勉強する意欲を高めることができている。

○ 又、登録制のヘルパーを多く抱えているが、ヘルパーの連帯感や帰属意識を喚起することで、現場での悩みを共有し、問題の把握や解決に迅速に対処することができている。