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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 社会福祉法人・社協 関東

事例No.0587

取組の背景

職員の勤務条件の改善や資質能力の向上に前向きな職場風土ではないことや、職員研修の予算が算定されておらず、OJTの未実施やOFF-JTが効果的に活用されていないなど、教育訓練体制が確立できていないことから、キャリア形成の形が見えにくく、職員の自己啓発意識も希薄であった。
また、職員のモチベーション(動機づけ)を高めるために、職員が「責任感」や「向上心」「主体性」を持って働くにはどうしたらよいのか、という問題意識から、法人全体の職員育成方針を定め、それぞれの階層における役割意識や職業意識を高めるための取組が必要であると感じていた。

取組の内容

介護労働安定センターに相談し、アドバイスを受け次の取り組みを実施した。
コンサルタントより職員研修の理念や方針が明文化されておらず、職員研修予算を算定できていないことから、法人としての職員育成方針の策定・訓練体系図の作成を目標とし、次の取り組みを行った。

  1. 職員育成方針の策定
    経営理念に基づく職員育成方針を確立し、求められる職員像を描き職務遂行能力・役割を確認する。
  2. 求められる職員像の明確化
    ①何のためにこの組織(自分たち)は存在しているのか ②誰にどのような価値を提供するのか
    リーダーのアンケートにより意見を集約した。
  3. 求める(リーダー・部下)職員像の明確化
    ①リーダーに求める職員像 ②リーダーが部下に求める職員像
    リーダーと担当者のアンケートにより意見を集約した。
  4. 求められる職員像を描きながら、役割と職務遂行能力の点検
    ①専門性 ②組織性 ③共通の3つの観点で分類
  5. 職場研修点検シートとの照合
    ①不足している研修や内容が重複しているものの見直し ②役割ごとの職務を遂行するために必要な研修内容の明確化
  6. 研修体系図の作成
    ①組織性、専門性、必須・選択の分類 ②ネーミング(階層役職名・研修名) ③不足研修の検討
  7. 職員研修実施要綱の作成
    以上の内容を整理し、OJT・Off-JTの実施・SDS含め「職員研修実施要綱」を作成する。
  8. 個別面談計画の作成
    今後の個別キャリア支援

取組の効果(改善点)

  • 職員のアンケートをもとに「求められる職員像」を検討し、職員育成方針に反映することができた。
  • 組織性研修の大切さに気付き、各階層別研修が整理できた。
  • 階層別(特に中堅層)の研修の重要度を理解し、研修の方向性が出来た。
  • 法人理念・施設方針・事業計画・研修内容・目標シート・キャリアラダー・キャリアパスを整理し、キャリアブックとして全職員へ配布し内容を周知することができた。

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