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介護老人保健施設 医療法人 九州

事例No.0566

取組の背景

  • ①地域からの人材流出が激しく、職員が定着しない。人員確保がとても大変。経営を行うための最低の人数、資格者を満たすことが出来なくなると施設自体を縮小していかなければならない危機感を感じている。
  • ②病院を持たない介護老人保健施設の為、他の介護老人保健施設と比べても収益確保が難しい。他の医療法人と比べやりにくい部分が潜在的にあると感じていた。利用者目線でのケアを行っているものの、経営を滞りなく行っていかないと事業運営が困難である。特に利用者確保には苦慮しており、どう克服していくかは大きな課題としてこれからも考えて行く必要を感じている。
  • ③管理者研修として充実した人材教育を行っていきたいが、どのような方法が適切なのかがわからない。
    充実した研修がどのようなものかを把握したい。

取組の内容

介護労働安定センターに相談し以下の内容について支援を受け取組みを行った。

  • ①主任クラス(管理者とスタッフの間)のリーダー研修を行った。
    当初は、管理者が離職率の高さに悩み、改善を行ってきたが、「現場の声を拾うことから始める事」とアドバイスを受け、職員間のグループワーク形式の研修を行った。研修内容の充実と進捗状況の確認を行うため、隔月で3回程行った。見えてきたのは、人材不足による各ユニットの疲弊感や緊張感、そして連携がなかなかできない事での不満だった。
  • ②雇用管理に関しては、社会保険労務士である雇用管理コンサルタントに雇用管理の課題整理について支援を受けた。研修に関しては、経験豊かな社会福祉士である介護人材コンサルタントに研修の策定について支援を受けた。
  • ③事業所のPR活動を積極的に行う。
    地域へのPR活動をもっと広げていく取組みを勧められた。多くの介護事業所が存在する今、利用者やその家族、またはケアマネジャーに選んでもらう事業者になるには、施設の特色づくりを行う必要がある。選んでもらう施設作りを考えることとし、下記について進めることにした。

(1)ホームページをリニューアルし、インターネット上でも更に施設をPRしていく。

(2)機能訓練の特色を出すことにした。そこで、高齢者向け体操のケアビクスに注目し、『ケアビクス普及支導員養成講座』を7人の職員が受講し、高齢者向け体操をPRしていく予定である。 

『ケアビクス普及指導員養成講座』は約半年間のコースで、7人が同時に受講するため、金銭的負担も大きい。そこで、教育訓練助成金の「キャリア形成促進助成金」(H29.4.1からは「人材開発支援助成金」に名称変更)を活用して、施設の金銭的な負担を軽減することをアドバイスされ、活用した。

取組の効果(改善点)

人手不足の状態で、職員は慢性的に労働超過になっていた。その中で上記取組みを行うことは、職員が更なる負担と感じてしまう部分もあり、取組みが逆効果になることが懸念された。その点で、助成金を活用した研修会を行ったことは、大きなプラスであった。

特に今回申請したキャリア形成促進助成金(現「人材開発支援助成金」)は、賃金補助もあるが、労働環境の整備(研修を所定労働時間で行うことが前提)が十分でないと支給につながらない。そういう意味では、職員の処遇改善につながったと考えられる。助成金は計画的に行わないと受給が難しくなるため、管理者が理解し、研修も仕事の内と認識できる風土づくり、また金銭的に負担感の無い能力開発は、職員にとっても大きな魅力となった。

また、今回の『ケアビクス』PRは県内初の取組みとして新聞にも紹介された。高齢者と支導員とのケアビクス体操の写真も掲載され、施設への問い合わせも来ている。これからの施設のPRの一環として弾みがついてきたところである。

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