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有料老人ホーム 民間会社 北海道・東北

事例No.0547

取組の背景

①3年前、職員数8名(内正職員4名)で事業をスタートしたが、約1年半後に正職員3名が退職した為、離職の防止と定着率の向上が課題となっていた。結果として職員の平均勤続年数が6ヶ月と短いこと、また、職員が進んで仕事をしてくれないことに対し、注意喚起をすればすぐに辞めてしまうのでは、といった経営者としての悩みがあった。

②昇給や賞与支給の際、客観的な評価基準がなく管理者の主観で評価していた。

③管理者の職員に対する計画的な研修計画もなく、外部研修への参加は皆無であった。

④事業所としての理念は有るが、職員は殆ど認識していなかった。
そこで、介護労働安定センターに相談し、事業所における雇用管理についての問題点、課題を明確にする為『介護の雇用管理改善 CHECK&DO25』を活用し課題の抽出を図った。その結果、「評価・報酬」と「人材育成」に雇用管理上の課題がある結果となった。
 また、介護労働安定センターの雇用管理コンサルタントによる、職員のヒアリングを実施した(経営者は同席せず)。「どのような考えを持って仕事に取り組んでいるのか」、「長く勤務していく上で自分なりの問題点提起等」という問いに対し、特に大きな不安、不満といったものは取り上げられなかったものの、自分の将来設計(ライフプラン)、キャリア(パス)プラン等について一抹の想いが感じられる結果となった。

取組の内容

定例会議の場において、各人が経営者感覚(意識)を持って仕事に臨むこと、地域に根ざしていくためには、常に質の向上を目指す必要があること等について、全員で認識の統一を図ることとした。

①待遇面においては昇給や賞与額について、きちんとした勤務評価をした上で決定、ルール化し明確に示す。
 客観的な評価基準表を作成し、パートも含め自己評価と事業所評価を行い、昇給や賞与支給に活用した。
 また、評価基準表を用いて各職員と面談を行う事で、相互理解を得るようにした。

②計画的な研修計画(外部研修含む)を策定し、知識、技術を磨くための研修制度を充実させる(人材育成)
 研修制度として年間計画表を作成することとし、その第一段階として腰痛予防研修会を実施した。

③心身共に健康で安心して働き続けられるような職場環境を確立する。
 業務に邁進出来るよう、福利厚生制度として「健康づくり制度」を整備した。安心して働き続ける職場作りを、また、経営者が職員を大事にしているという趣旨も込め制度化に踏み切った。制度の一環として、任意で実施している人間ドック費用の半額補助制度を就業規則に明記した。  以上を経営者自ら職員に直接伝えることとした。

取組の効果(改善点)

過去に大量の退職者を出したこともあり、その反省から離職防止及び職場定着を促す一環として「研修制度」、「健康づくり制度」を就業規則に明記したことで、『職場定着支援助成金』の申請、受給に繋げることが出来た(この間、離職者は無し)。

日々の業務遂行にあたり、心身面における自己管理(健康づくり制度)を、また、評価基準表の導入により各自自己評価を行うことで、業務の振り返りと同時に気づきを与えることができた。そこから改善に向けた行動を自ら認識させる(研修制度)ことで業務に積極性が出てきて、職場活性化につながった。

また、評価基準表を事業所全体会議の場でも活用することで、各評価項目についての共通認識が図られた。管理者においては、職員に対する気配りを最優先していたが、面談を通じて職員が求めている管理者像が明確になった。

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