雇用管理サポートシステム

事例No.546

○主な事業:特養 ○法人形態:社会福祉法人・社協 ○地区:北海道・東北

取組の背景

・事業所の将来像やコスト意識、業務改善等に無関心な職員や、自分の仕事だけをこなせば良いとして、組織全体を考えるという意識が低い職員が見られるようになった。職員が日頃から感じている課題や、気づきについて情報共有し、「自分には関係のない事」から「自分に関連した問題」として意識し、職場から無関心をなくして、一体感のある働き易い、働き甲斐のある職場づくりを急務と感じていた。

・職員の確保と定着のためにはワークライフバランスに取組み、仕事環境の整備と心身の健康維持を図り、質の高い介護サービスの継続的提供体制を構築する必要があった。

・職員全体の能力の底上げを図り、優秀な人材を引き付け雇用して行くためには、特に、中間管理職のリーダーシップやマネジメント能力の育成が急務で、「処遇・雇用環境の改善」と「やる気・意欲の向上」双方に対応した複合的取組を進める必要があった。

取組の内容

・フェイス・トゥ・フェイスの対話を重視し、事業所において個別面談を年2回、施設長自ら実施した。職員の自主性を高めるために、事業所の様々な活動に参画させるなど、同僚や上席者と共に事業所の在り方を考えていく環境を整備した。

・ヘルスカウンセラー相談の「集団型相談」を実施し、ストレスのメカニズムや対処法について研修した。常に声掛けを実施し、衛生委員会や産業医との綿密なコンタクトにより、バックアップ体制を確立した。育児・介護休暇について説明し,ワークライフバランスを考慮した安心して働くことができる職場環境を整備した。職員の問題や悩みを把握し、それに応えるような勤務条件に配慮した。

・事業所の基本理念や倫理綱領、基本方針を明確に提示して、職員への浸透・共有に力を入れている。事業計画に連動した個人の目標を導き出し、それを目標設定にしている。職員との複数回の面談では上司の「期待」を伝えて、モチベーションの向上を図るようにしている。人事・給与に於いて、透明性のある評価基準を設定し、処遇改善加算も含め成果に応じて支給する給与体系を確立した。

・能力育成の取組みとして、新人、中堅、管理者など階層に応じたきめ細かい社内、社外の研修を実施した。

取組の効果(改善点)

・職員からの自主的な改善提案制度や小集団活動等、組織に対する関心と貢献の意識を高めることができた。これにより管理者と現場職員が一体となって問題解決に向かって行く環境ができ、組織力の強化に繋がった。

・職員自身の健康管理意識が向上し、健康保持はもとより職員の自己啓発、学習により、仕事と生活の調和が取れて、離職率も低下した。

・階層に応じた研修を実施したことによりモチベーションが向上し、スキルアップも図られ、利用者に対する適切なサービスが継続して提供できる体制を構築できた。

・組織の風通しも良くなり、事業所内の人間関係も良好に保たれ、職員の当事者意識と組織への愛着も醸成された。優秀な人材確保の土壌も整備され、それが事業所の強力なアピールポイントとなっている。