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有料老人ホーム 民間会社 北陸甲信越・東海

事例No.0529

取組の背景

経営者は30代と比較的若手であり、もともと接骨院を運営してきた。2012年にリハビリ型のデイサービスを開所し、利用者様の安定的確保と、人材の採用及び定着に取り組んできた。人材面では、マナー教育を推し進め、利用者様からの信頼を得られるような努力を積み重ね、またスタッフに対しては年間休日125日を確保など、魅力ある職場づくりを独自に推し進めてきた。しかし、悩みもあった。

①人材不足について、求人を出してもなかなか応募が来ない。

②定着が進まないことについて、せっかく採用しても短期間で辞めてしまうケースがあり、採用と定着が課題であった。さらには、

③精神的な疾患を抱えていて勤務状況が安定しないスタッフや経営者側の求める能力まで満たない能力不足のスタッフもいるなど、労務管理上の悩みもあった。

取組の内容

①人材不足の件であるが、求人の仕方を工夫することにした。これまでどおりハローワークを使用する方針であったので、魅力ある職場であることをPRするために、施設の風景やスタッフが働いている環境が求職者にイメージしやすいように画像を取り入れることにした。併せて、事前見学可能なことや、職場体験OKといった文言を入れるようにした。また、障害者やひとり親家庭の方など、いろいろな環境に置かれた人たちも広く採用する方針に改めることとした。助成金が活用できるというメリットもあった。

②定着を促進させる取り組みとしては、シンクタンクに魅力ある人事考課・人事評価制度の構築を依頼し、昇給や昇格のシステムをスタッフの目に見える形で策定することとした。きちんと仕事に取り組んだときは、それに見合った配分や地位を与えようというヤル気を出させる人事システムを構築するという手法である。

③心の病を抱えるスタッフや能力不足のスタッフの労務管理については、外部の専門家(社労士)が、本人面談の機会をとることや、会社としても人事異動の制度、短時間勤務制度の整備などを工夫して取り入れることにした。

取組の効果(改善点)

①人材不足の件では、画像のイメージが予想以上に好評だったこともあり、応募が以前より増えた。やはり、応募者は、文字だけよりも建物のイメージやそこで働いている人々の表情、利用者様の状況などを視覚としてとらえ、興味を持ってくれたとのことである。また、障害者の男性1名と母子家庭の女性を2名採用することに成功した。求人票の記載の仕方を工夫したことに起因するのと、経営者の意識が変わったためである。助成金の支給対象ということもあり、施設運営上も助かるものであった。

②人事評価制度については、経営者自らが依頼先シンクタンクを選定した。比較的短期で安価に構築してもらい、平成28年6月よりこの制度に沿った昇給や昇格を実施している。スタッフにとっては、何を行い、どうすれば給与がアップするのかわかりやすくなり、魅力ある職場づくりの一因になった。これで不安定であった人材の定着も図れると思う。

③労務管理の面では、メンタル疾患のスタッフについては、やはり自社だけで解決するのが困難という結論になり、外部の専門家(社労士)の面談制度を導入したり、短時間勤務制度を創設したりして、柔軟に対応することが大切であると理解することができた。能力が不足しているスタッフについては、解雇せずに人事異動をかけて、適材適所で処遇することが以前までと違う改善点となった。

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