雇用管理サポートシステム

事例No.514

○主な事業:特養 ○法人形態:社会福祉法人・社協 ○地区:九州

取組の背景

・欠員が出ては採用するという繰り返しで、定着率も悪く、年間5名ほどの離職者があった。

・採用後の研修もなく、いつ、誰が、何処に配属されたのかも判らない職場環境であった。

・その結果、新卒者の採用は0の状態であった。
 
 福祉科のある高校の事務長を経て平成21年度より着任した施設長の「新卒者を責任を持って採用し、施設の核となる職員に育て上げ、安心して働ける職場環境を作り上げる」の思いがあり「職員が辞めない職場づくり」の取り組みを始めた。

取組の内容

①新卒者の採用

 ・正職員は4月採用の年1回のみ、欠員が出ても、4月まで採用はしない。
 ・良い人材を確保するため、実習生の受入を積極的に行う。
   ・日頃から、福祉科の高校、専門学校を訪問し、良い人材を実習生として派遣してもらう関係性を築きあげた。
 ・実習の時点で良い学生には声掛けをし、就職先として希望してもらう。
 ・「採用試験」「入社式」を実施し、けじめをつけ、帰属意識を持ってもらう。
 ・新卒者採用の場合は同じ学校から複数名採用し、入社後の不安感や孤立を予防している。
 ・採用後は研修期間を2週間設け社内研修と自衛隊での研修を実施。
 ・採用後は面談を繰り返し実施→3日目、1週間、2週間、月1回
 ・1年間は夜勤も含めエルダーについて業務を行う。
 ・最初の1年は特養のみで勤務。

②「業務改善」の取り組み

 ・「業務改善改革委員会」を設置、構成メンバーは介護主任1名・副主任2名・リーダー8名
 ・利用者本位のサービスを目指し、利用者さんに合わせたケアを実施している。
 ・オムツ交換の時間、オムツの種類等の情報収集を行い、統計を取る。その結果、利用者さんにあったケアを検証し提案、実施している。
 ・反面、職員には業務負担が増大し、不満も出た。その場合は、施設の理念や行動指針を根気強く説明し、理解、納得してもらっている。
 ・ケアプラン会議を年に2回実施。多職種の職員で構成し、意見を集約させケアの見直しを行っている。その結果、以前は看護師、介護主任の一声で行っていたケアが、職員へ周知浸透するようになった

③コミュニケーション

 ・施設長面談は年に1回実施
 ・相談事は→リーダー→主任→相談員→施設長としている。
 ・ライフサイクルに応じた、他の部署への異動、夜勤の減少等、配慮している

④人材育成

 ・スキルアップのための外部研修を受講させている。県内であれば、希望する研修を受講可能としている。

取組の効果(改善点)

・2年連続で離職者は0名となり、定着率が大幅に改善された。

・良い人材が採用されると、在籍職員にも刺激を与え、相乗効果が生まれた。

・今まで、中途採用ばかりで、年齢が高かったが、新卒者の多くは10代のため、職場に活気が生まれた。