雇用管理サポートシステム

事例No.460

○訪問介護の職員数(規模):20人以上50人未満 ○法人形態:株式会社 ○地区:北陸甲信越・東海

取組の背景

 介護労働安定センターの「労働局委託事業」で地域ネットワーク・コミュニティに参加し、雇用管理コンサルタントから「雇用管理改善チェックシート」を活用した相談支援を受け、次のような課題を抽出した。

①施設長が中心となって雇用管理改善を推進しているが、人事評価制度の運用などにあたり、中間管理層の育成と権限移譲が必要である(人事評価制度の適正な運用を図りたい。)。

②現行の人事評価制度に基づく評価表は、パート従業員の人材育成には不向きな部分が多い。

③正社員とパート社員の各評価結果を賃金に連動させる観点からも、キャリアパス規程を見直したいと考えている。
 雇用管理コンサルタントから、改善に着手するポイントとして、現行のキャリアパス規程の見直しから取り掛かることを提案された。そこで、従業員のモチベーションアップと定着を図るという目的に沿い、正社員・パート社員の区別なく規程の見直しを行うこととした。

取組の内容

 雇用管理コンサルタントからの以下の提案について、改善の方向性を確認しながら取り組んだ。

①評価表の見直しについて、パート従業員にも適用することから評価表の内容や評価点の段階変更を行う。
②評価の内容について、分析型の考課項目とする。
③従業員のモチベーションアップを図る観点から、能力等級制度について現行よりも1等級上位の階層を設ける。 ④キャリアパス制度の見直しについては職場環境改善助成金を活用する。
⑤改正キャリアパス規程を労働基準監督署に届出する。

・助成金活用状況は以下のとおり。
職場定着支援助成金 1.個別企業助成コース 2.雇用管理制度助成コース

取組の効果(改善点)

①正社員とパート社員のキャリアパス規程の見直しを同時に実行したことにより、公平・平等性の担保を図ることができ、納得を得やすくなった。

②賃金連動の困難性を解決でき、評価制度の実効性が高まった。

③上位階層設定などの作業過程で、中間管理層を巻込んだことが一次評価者の育成にも繋がった。