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事例No.0275
取組内容
1 サービス提供責任者
①サ責の能力開発・・・
○ 管理者を対象に、△△県認知症介護実践者リーダー研修を受講させた。
○ 研修内容は、
ア) 生活支援のための認知症介護で大切にしたいこと、
イ) 介護現場における介護理念の構築、
ウ) 介護現場の認知症介護のあり方に関するアセスメント、
エ) 実践リーダの役割と視点、
オ) サービス展開の為のリスクマネジメント、
カ) 介護現場の環境を整える地域社会資源の活用と展開、
キ) 家族支援の方策、
ク) ケースカンファレンスの持ち方、
ケ) スーパービジョンとコーチング、
コ) 人材養成の企画立案と伝達・表現技法、
サ) アセスメント・ケアプランを通して考えるチームケアについて。
○ 講義7日間の後は、外部実習4日間と自施設実習4週間で、職場課題に取り組む内容となっている。
取組の背景
1 サービス提供責任者
○ ヘルパー(訪問介護員)の管理者は、訪問介護の質の確保、チームケアの推進、地域包括ケアの推進、スタッフのメンタルヘルス、在宅介護家族への支援など、幅広くかつ柔軟な訪問介護事業所の管理運営に取り組まなくてはならない。
○ 特に困難事例の介護家族や訪問介護員の悩みは深く、介護職員のうつ症状の出現や離職につながることもある。
○ 以上の点から、訪問介護における管理者・サービス担当責任者は、地域における訪問カウンセリングの機能やスーパーバイザーとしての機能が求められている。
○ さらに、困難事例の多くは、認知症の高齢者である。認知症の理解や認知症ケアの学びも必要不可欠となる。
○ また、今後の事業所の運営は、管理者やリーダーのみならず、全職員参画の元で行われることが求められている。
○ そのため、経営者と現場の職員との間では十分な対話の時間を持ち、場合によっては、目的に合わせた議論の必要もある。
○ 今後は、必要に応じて論理的に意見を集約し、集約した意見等を活用したコミュニケーション技術の向上が必要となる。
取組の効果
1 サービス提供責任者
○ 13日間職場を離れるが、各職場で、講義内容を踏まえた自施設実習を行うことから、即実践を意識した内容であったため、研修参加後の管理者自身の良質な意識変化と認知症介護に関する知識と技術の向上が認められた。
○ 特に職場実習中は、困難事例に対し、チーム員を巻き込んだアセスメント・ケアプランに取り組み、チームアプローチの質的向上に取り組むことにより、理念を中心にチーム全員の結束を強固にするという効果が見られた。チーム員からの不満はなかった。
○ このことは、経営者・管理者側の「認知症の人を地域で何とか支えたい」とする切なる思いにチーム員が応えたもので、研修の効果ともいえる。
○ 事業所内では、理念を中心としたチームケアが推進される度に、職場内の不満は軽減していったようである。
○ 以上のような取り組みを実施することにより、事業所のサービスの質が向上し、同時にヘルパーステーションに対する称賛が相次ぎ、ヘルパーとしての自信や自尊感情に良い影響を与えているのではないかと考える。
○ サービスの質の向上を図る中、様々な取り組みを実施し、職員の責任の度合いも高まっているが、3年ほど前から支給する給与に大きな変化はないものの、人として、自己実現に向けた欲求と事業所内の活動の方向性の一致がピグマリオン効果として実を結びつつあるのではないかと考える。